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世界選手権ドルトムント大会(団体戦)

 27日に行われた、チャンピオンシップディビジョンの男子予選グループA。スウェーデン対中国という89年世界選手権・男子団体決勝の対戦カードが、ここに再現された。
 89年大会で男子団体優勝を果たしたスウェーデン男子チームで、決勝に出場したのはヤン-オベ・ワルドナー、ヨルゲン・パーソン、ミカエル・アペルグレン。かたや中国は江加良、陳龍燦、騰義。トップでアペルグレンが江加良を破り、スウェーデンが5-0で勝利。スウェーデンはその後、3連覇を達成し、黄金時代を迎えることになる。

 それから23年の月日が流れ、スウェーデンの黄金時代の担い手のひとり、ヨルゲン・パーソンは再びヴェストファーレンハーレンのコートに立った。
 23年前とは、何もかもが変わった。ボールは38mmから40mmになった。試合形式が21点制から11点制になった。ハンドハイドサービスは使えなくなり、スピードグルーは禁止された。最先端の技術だったカウンタードライブはスタンダードになったし、ペンホルダーが裏面でドライブを打つようになった。

 スウェーデンは欧州の中堅チームとなり、中国は一時期の低迷から復活して、最強軍団の名をほしいままにしている。それでも、パーソンは時代の先端を走り続け、決して「浦島太郎」にはならないのだから凄い。現代卓球の象徴的な技術になったチキータに近いバックフリックも、80年代から使いこなしていた。

 中国男子が現世界王者の張継科を3番に下げ、馬龍と馬琳を2点起用する慎重なオーダーを組んだのは、スウェーデンに対する敬意か、それともパーソンに対する敬意か。パーソンは馬琳から第2ゲームを奪い、今大会の中国から初めて1ゲームを奪った。結局1-3で敗れたものの、観客は盛大な拍手をこの老雄に送った。下写真右は89年大会での男子団体表彰。