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速報・現地リポート

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世界選手権ドルトムント大会(団体戦)

 〈中国 3-0 シンガポール〉
○丁寧 12、-8、4、3 馮天薇
○李暁霞 9、-11、10、5 王越古
○郭躍 8、6、9 リ・ジャウェイ

 中国女子が2大会ぶりに王座に返り咲いた。08年広州大会まで8連覇していたことを考えれば、定位置に戻ったと言ってもいいところだが、決勝に出場した3選手のプレーは決して万全ではなかった。
 前回大会の決勝トップで逆転負けを喫し、中国に流れを引き寄せられなかった丁寧、団体決勝では初の起用となる李暁霞、06年大会決勝で帖雅娜(香港)、08年大会決勝でリ・ジャウェイ(シンガポール)に金星を献上している郭躍。紛れもなく世界トップクラスの選手たちだが、大黒柱となる選手がいない。

 トップ丁寧は、馮天薇と激しい両ハンドのラリー戦を展開した。台からやや距離を取る丁寧に対し、前陣を死守して両ハンドでコースを突き、チャンスには強打で得点を狙う馮天薇。これまでの不調がウソのように積極的なプレーは、前回大会のリプレイのようだった。
 第1ゲーム、2回のゲームポイントをしのいだ丁寧だが、このゲームを落としていたら、試合の流れはわからなかった。しかし、試合の中盤から、中陣から放つ丁寧の横回転の入る両ハンドドライブに、馮天薇の空振りが目立つようになる。第3ゲームはなんと丁寧が10-0でゲームポイント。丁寧、ここはフォアサービスをミスして相手に1点献上したが、11-4で奪取。このまま勝利を飾った。

 2番の李暁霞対王越古は、王越古のバックブロックと連続フォアスマッシュが炸裂。現在、シェークの攻撃型でこれほどスマッシュが打てる選手は少ないし、ラリー戦での集中力も高い。まともに打ち合っては不利になると、李暁霞がフォアドライブの前後の緩急を使って勝利したが、王越古はいまだに対中国の強さではトップクラスだろう。

 3番は郭躍対リ・ジャウェイ。郭躍、久々の檜舞台。フットワークを生かして、フォアドライブの連打を浴びせ、フォアのスマッシュもドライブで打ち返す郭躍に、リ・ジャウェイは勝機を見出せず。

 優勝を決めた瞬間、ラケットを天高く投げ上げた郭躍。ラケットをキャッチすることも忘れるほど、自ら決めた優勝の味は最高だったのだろう。ただし、すぐにラケットを拾うようにと、先輩の郭炎に注意されていた。

下写真左:小さくてわかりにくいですが、左上にチラリと写っている赤いものが郭躍のラケット(クリックで拡大)
下写真中央:トップで起用された丁寧と、活躍の場を与えられなかった劉詩ウェン。両者の明暗ははっきりとわかれた。劉詩ウェンが昨年の世界選手権で優勝していたら、立場は逆だったかもしれない
下写真右:表彰式での中国女子