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速報・現地リポート

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世界選手権ドルトムント大会(団体戦)

 ドイツ戦でボル、オフチャロフに敗れた水谷隼。日本男子チームの宮崎義仁監督は、試合後に「彼本来の自由自在のフットワーク、自由自在のラリーが影を潜めていた。水谷は日本全部を背負って、一人で戦ってしまった。彼を精神的に楽にさせてやれなかった」と語った。

 そのプレッシャーの大きさは、コートサイドにも伝わってきた。これまでメダルを獲得してきた2大会では、韓陽と吉田海偉という先輩がいたが、今回のチームでは名実ともに水谷が大黒柱。「若いチームなので、ぼくがしっかり引っ張っていきたい」とドイツ出発前の記者会見でも語っていたが、そのプレッシャーが水谷のプレーの幅を狭めてしまった。

 「最近はオフチャロフに連勝していて、プレッシャーに耐えられる自信が足りなかった。オフチャロフ戦で1ゲーム目、6-4でリードしていたのに、そこで凡ミスをしてそのまま7-10まで持って行かれて、そのまま落とした。2,3ゲーム目をジュースで落としたけど、あそこで1点取っていたら自分が2-1でリードした可能性もあった。ああいう苦しい中で1ゲームも取れないと試合で勝つのは難しい。
 今日は4ゲームのジュースを落とした。競り合いで点数がとれないとボルにもオフチャロフに対しても厳しい。プレー自体、自分のプレーができなかった。準決勝という舞台で2点落としてしまったのは自分の甘さ。今日、2点落として申し訳ないし、リベンジをしたい。今のままでは(ロンドンも)勝ち目がないし、もっともっとチーム全体を自分が引っ張っていって、もっとしっかり練習して日本の卓球が世界で通用するように頑張りたい」(水谷)

 水谷をオーダーから外して敗れたポーランド戦は、日本男子チームにとっての水谷の存在の大きさを物語っている。「水谷がいなければ、日本男子チームは中堅のチームになってしまう」という世界の卓球関係者の声も聞かれた。7月のロンドン五輪がリベンジの舞台だ。