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 丹羽選手と馬選手の一戦は、数年後に日本が中国に勝つ時代が来ることを思わせる一戦だった。
 2ゲーム目、丹羽選手の戦術はおもにふたつ。チキータでのレシーブからバック対バックに持ち込んで、馬選手にフォアドライブをさせないこと。そして、馬選手のバック前へのサービスから3球目攻撃を仕掛けることだった。
 逆に馬選手は、丹羽選手がフォア前をチキータでレシーブすると、次にバックハンドで丹羽の空いたバックを攻めてくる。そしてサービスは、チキータを封じるフォアサイドを切るサービスも戦術として混ぜ、そのサービスからフォアドライブを多用しようとしていた。2ゲーム目、3ゲーム目はこの展開が多かった。

 しかし、馬選手は4ゲーム目を落とした後、バック対バックではなく、丹羽選手のフォアにボールを送る戦術に切り替えた。そして、それまでは丹羽選手のチキータをバックハンドで返球していたが、バック対バックでのラリーを止め、チキータに対して先にフォアドライブで仕掛ける戦術だ。ここで両者の間に少し差が出た。
 馬選手のフォアドライブはスピード、回転ともに超・世界級といえる。馬選手のそのフォアドライブを、丹羽選手は何本か早い打球点でかけ返していた。これは本当に天才にしかできない領域の技術。これがもっと入るようになれば、世界はもっと近くなる。丹羽選手ならそれが可能だと思う。