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世界卓球パリWEB速報

1. 劉詩ウェン対朱雨玲(女子シングルス準々決勝)

 1、2ゲーム目は朱選手の方がバック対バックでは優っていた。しかし、劉選手のバックドライブはスピードに加え、少しずつ回転の変化が加わっているので、相手の朱選手が後半はバックも押されてしまった。サービスもコースと回転を変化させるので、相手は予測しにくい。そしてフォアサイドでも、回りこんでも打球点は落とさずフォアドライブできる。
 対する朱選手は、チキータも使うし、バックは非常に強い。凄いカウンターもある。ただ、劉選手と比較するとフォアが少し弱かった。
 それにしても劉選手は、あれほど速い打球点で、しかも回転をかけられるというのはすごい。中国は伝統的に、身長の低い選手はあまり起用しないが、彼女が世界に出てくる理由がよくわかる。かつての鄧亜ヒョウ選手などと同じように、「別格」と言える選手だ。

2. ボル対岸川聖也(男子シングルス4回戦)

 ボル選手の試合を見ていると、なぜ彼が人気があるのか、わかるような気がする。性格やフェアプレーだけでなく、卓球そのものにリズムがあり、その高速のリズムが非常に芸術的に思える。岸川選手も高度な技術を持っているのに、ボルがその技術を封じてしまった。徹底して岸川選手のバックへ、たたみかけるように速いドライブを送り、しかも打球点が速いから岸川選手が回りこめない。それだけでなく、バックサイドからのフォアドライブはシュートするドライブも凄い。ドライブを高速で、広角に打てる。
 サービスは簡単にストップできないように、横下とYG(ヤンジェネ)を出す。それでいて、ストップレシーブされても非常に処理がうまい。中国選手に勝てるのも道理だ。

3. 張継科対ガルドス(男子シングルス4回戦)

 ガルドス選手は2ゲーム目、張選手にバック対バックのラリーで優っていた。特にバックストレートへのバックドライブで、張選手のバックへの回り込みを躊躇(ちゅうちょ)させた。
 しかし、2ゲーム目を落とした張選手は、ここからフォアとフォアミドルへボールを送る戦術に切り替えた。サービスはフォア前へ出し、そこから攻撃していく戦術を使った。最初はミスも出たが、相手の注意が次第にフォアへ向くようになり、張選手が優位に立った。4、5ゲーム目はレシーブもフォア前へのストップを多用し、特に5ゲーム目はバックをすかさずフォアで回り込む戦術を使い、相手の攻撃を封じた。