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世界卓球パリWEB速報

星野美香の眼★
 張継科の攻めに入った時の打球点は、前回世界チャンピオンになった時よりも早くなった気がする。許がバックストレートへのボールに反応できないシーンがたびたびあった。この試合では、ストップも許を上回るくらいポイントを挙げていた。

 対する許は1ゲーム目を落としたのが痛かった。出足で3ー0とリードし、8ー5でリードしていて、そこから8ー11と逆転された。その途中、許が6ー4でリードしてラリーでポイントした後、主審がラリーが終わってからレットを取って、ノーカウントにした。
 そして、ゲームカウント0ー2で迎えた3ゲーム目、許が4ー3でリードした時点で、張継科が許のラバーにクレームをつけた(許はその前のプレーでラケットを台にぶつけていた)。許は主審に注意され、結局スペアラケットに替え、そこでプレーを再開した。世界選手権では予想しないようなアクシデントも発生する。常にあらゆる事態を想定して、準備をしておかなければならない。

 許の打球点は張継科よりかなり遅く、勝ちにくい部分もあるが、それも含めて彼のプレースタイル。ラリー戦ではフォアハンドで相手を打ち負かせるパワーがあるからだ。しかし、今日の許はフォアドライブが走っていなかった。私はもう少し接戦になると思っていたが、心理的なストレスがかかったのかもしれない。