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●男子シングルス準決勝
王皓(中国) 9、7、3、ー7、ー12、3 馬龍(中国)

馬龍の背中には、隠れた電源のスイッチでもあるのか?
そう言いたくなるような男子シングルス準決勝・第2試合だった。

出足から、王皓の打球点の早い裏面ドライブの前に、バック対バックで後手に回った馬龍。思い切って回り込むこともできず、王皓のフォアを狙って仕掛けることもできない。王皓のサービスは、これまでの巻き込むような左横回転サービスに新たに右横回転のサービスも加わり、馬龍のレシーブが乱れた。少しでもストップが浮けば、すかさず世界最速と言われる王皓の台上ドライブが炸裂。第3ゲームまでの馬龍は完全に電源「OFF」だった。

突然、馬龍のスイッチが「ON」になったのは、第4ゲームを奪い返し、第5ゲーム2ー2でものすごいフォアクロスの引き合いの末に得点してから。
中陣で、低く体を沈み込ませながらパワードライブを連発する馬龍。王皓もいつになくフォアドライブの手数が多く、ラリーは一気に白熱した。会場に「Allez!MaLong!(アレ(頑張れ)マロ〜ン!)」の声が何度も響く。馬龍は10ー11でマッチポイントを奪われながら逆転し、14ー12で奪取。逆転の目もあるかと思われた。

ところが、第6ゲームでまたも馬龍のスイッチは「OFF」になる。フォアドライブの積極性を失い、王皓の裏面ドライブに対するバックハンドのミス、ストップのミスを連発。世界のトップ選手とは思えないほどあっけなく、2ー4から2ー10までリードを広げられ、あえなく敗戦。観客があっけにとられるほどだった。

当たりがついた時の強さは、まさに「世界最強」という称号がふさわしい馬龍。しかし、王者になるために必要な「覇気」を見せることができなかった。