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 前回のロッテルダム大会、女子シングルスではベスト8のうち7人までを中国選手が占めた。今大会でもロンドン五輪女王の李暁霞を筆頭に、カットの武楊と胡麗梅も加え、その壁は強固だ。
 さらにロンドン五輪が終わり、韓国の金キョン娥や朴美英、シンガポールのリ・ジャウェイや王越古といったベテラン選手が軒並み引退。香港の帖雅娜はなんと「オメデタ」で欠場。中国が新旧世界ジュニア女王の陳夢と朱雨玲をエントリーさせ、着々と世代交代の準備を進めるのに対し、各国の戦力は著しく低下している。シンガポールの馮天薇が孤軍奮闘という状況になっている。

 それだけにパリ大会で、日本女子チームに向けられる期待は大きい中国選手を連破するのは非常に困難だが、とにかくひとりでも中国選手を倒したい。日本女子チームの村上恭和監督も「どんなに難しくても、『中国に勝てるんだ』というところからスタートしないと、対策も方法も見えてこない」と語っている。

 福原愛(ANA)は昨年手術した右ひじへの影響を考え、国際大会へのエントリーも減らしてじっくり調整してきた。万全の状態とは言えないかもしれないが、もともと対中国では、力と力の勝負に出ても勝機は見出しにくい。最近の大会では、バック面の表ソフトから繰り出す強打が光っているが、両ハンドとも緩急をうまく使っていきたい。
 1月のオーストリアオープンで朱雨玲(中国)に快勝した石川佳純(全農)も、3球目攻撃の威力は抜群だが、これまでの世界選手権で、彼女を「クレバー」だと評する記者が何人もいた。やはり強打だけに頼らず、多彩な得点パターンを発揮したいところだ。3人目の銀メダリスト、平野早矢香(ミキハウス)は、福原や石川に比べると中国勢に対して苦戦が続くが、「今までとはプレーが変わってきた。新しい戦い方ができるようになってきた」と、常に自分のプレーへの改良を怠らない。

 他の日本女子では、世界ランキングは低いものの、全日本3位の松澤茉里奈に注目したい。主戦であるバックサービスは海外選手にとっては対応しにくいはずだ。そしてヨーロッパ勢にも打ち負けない両ハンド強打を持っている。序盤で勢いに乗れば、大物食いも十分に期待できそうだ。
  • 6大会目の世界選手権個人戦に挑む福原

  • 世界選手権は準優勝2回の李暁霞