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世界卓球 パリからジュテーム速報
~伊藤条太のお前にトリコロール!~

メインアリーナで日本チームの練習が始まった。制限時間は1時間だ。
岸川、福原、張、石川、平野、吉村、賢二、志保の練習を見たが、印象に残ったのが福原の練習だ。なんと、二人を相手に打ち込んでいたのだ。二人はダブルスのように交互に打つのではなく、それぞれが自分のところに来たときに打つ方式だ。

テレビ局が「福原選手はなんと二人を相手に特訓をしています!」と大げさに宣伝するのには効果的だろう。以前、バラエティー番組でやっていた、卓球選手に対して素人のアナウンサーたちが「こっちは二人がかりで挑戦します!」と言ってシングルより数段不利なダブルスで挑んでいたバカバカしい企画を思い出したが、よく考えてみるとこれは意味のある練習だということに気がついた。

ポイントは、福原が相手のコートにランダムに左右に打ち分けているということだ。もしこれを通常のように一人で相手をすると、相手は福原が90%ぐらいの力でランダムに打ち分けるボールに反応してブロックしないといけない。これでは当然ミスが多くなって福原の練習効率が落ちる。これを二人で相手をすることで、ほとんどノーミスで練習できるのだ(福原はミドルには打たない)。

相手は福原のフォア側半分に打ってくるのだが、クロスとストレートの違いから、福原は通常のフットワーク練習の全面に近い距離を動かなくてはならない。これをオールフォアでやっていた。しかも相手のボールはすべてブロックのタイミングだから容赦なく早く、フォアサイド半面練習のはずなのにときどき福原はノータッチでフォアを抜かれたりミドルのボールを体に当てたりしていた。おかげで福原はものすごくヘトヘトになっていて、他のどの日本選手より激しい練習になっていた。

見て瞬時にこの練習の意味に気がつかなかったのが悔しい。