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世界卓球東京大会WEB速報

1番の水谷は、これまでの試合と比べて攻めが非常に早くなっていた。バックサイドをフォアで回り込もうとするアポローニャに対し、打球点の早いドライブやカーブドライブで相手を詰まらせたり、バックでとらせる戦い方が非常に有効だった。フォア前への変化を入れたサービスとストップレシーブで相手の攻めを封じて、先に攻めていったのが勝因だろう。

丹羽は、相手にフォアドライブをフルスイングさせてしまうと劣勢になるので、それを技とコースの多彩さで相手を翻弄した。彼の卓球は独特の世界観がある。一見凡ミスのように見えるプレーもあるが、それが彼の独特の卓球スタイルなのだ。まだ完成されていないので、この先、彼の卓球が完成されるとどんなプレースタイルになるのか見てみたい。小柄で、線が細いので、そのスタイルを完成させるには、これから先、技術を含めたトレーニング方法が重要となるだろう。

松平は非常に惜しいゲームだった。攻め方は決して悪くなかった。1ゲーム目、7-5でリードしていたところまでは松平のペースだったが、そこでサービスミスをしたために少しナーバスになったようだ。そのゲームを取っていれば、松平のペースになっていた可能性があるだけに惜しかった。松平の卓球は非常に速い卓球スタイルで、1秒の何百分の1の世界。その高度なレベルの中で、常に正確にボールをコントロールするのは難しく、その精度が時々低くなることがある。しかし、それが常に高い状態になれば世界のトップは見えてくると思う。

4番の水谷は、1番のアポローニャ戦と同様に攻めが早く、それにプラス、バックドライブからの攻撃も多く見られた。3ゲーム目、相手の選手がバックストレートを多用したため、水谷の流れが止まってしまったが、5ゲーム目の前半に、ストップレシーブを含めて台上プレーで相手の攻撃を防ぎ、後ろに下がらず前で攻撃、ブロックができたのが勝因だ。4ゲーム目終了後に足を気にしてマッサージを受ける場面もあったが、それだけエースとして多くの試合を戦い、相当の負荷がかかっていたと思われるが、それでもなお勝ち切った彼のすごさが際立った一戦だった。

3番の松平はフルゲームで負けはしたが、3選手ともすばらしい試合内容だった。