ついに日本男子チームが目覚めた。天才たちが目覚めた。グループリーグ初戦での敗戦から、どこかスッキリしないプレーが続いていたが、このポルトガル戦でようやく会心のプレーを見せてくれた。
試合後、長いテレビ取材を経て、ミックスゾーンに姿を現した倉嶋洋介監督。「自分が思っていた以上に選手のプレーが素晴らしかったですね。これまでも選手たちは調子は悪くなかったけど、精神的な部分であったり、試合の中での駆け引き、戦術の冴えが今ひとつだった。そういった冴えが出てくると、選手たちも調子が出てくる」と語った。
「ポルトガル戦での戦い方は2日前とほとんど一緒。3番の健太も、前回はモンテイロに負けたけど、戦術的にはほとんど勝っていた。もう一度明日やれるかと昨日のミーティングでひとり呼び出して、「やれます」と言ってくれたので、その強い気持ちがあれば大丈夫だと思った。塩野の起用ももちろん考えましたが、健太にはこのまま成長してもらいたいので、先を見据えての起用でもある。彼の潜在能力があれば、まだまだすごいプレーができる。
選手たちも疲れはあると思うけど、会場の雰囲気にも慣れて来て、頼もしく感じる。多少疲れているくらいのほうが、彼らにとってはいい。水谷の右足の状態は特に問題はない。それを言ってられないという状況もあります。この大舞台に慣れているのもあるし、しっかり経験を積んできて、日本のエースにたくましく成長してくれた。
準決勝はたぶんドイツとやることになるので、日本の卓球の新しい扉を開けたい。ドイツ戦はボルとオフチャロフという二枚看板がいるので、3番手には必ず勝つ。そして残り2点をどう取るかが課題になるでしょう」