肝っ玉の据わった19歳の丹羽孝希がトップでフレイタスに完勝して、この準々決勝の勝敗は決まった。「今日の勝利は丹羽のおかげ」とエースの水谷が絶賛するほど、今日の丹羽は完璧だった。前回のフレイタス戦では3ゲームの出足でつまずき集中力を欠いたが、今日はその3ゲームの出足もリードを奪った。
「ぼくが1番で勝ったらチームも絶対勝てると思っていた。ぼくが勝つことによって健太さんがやりやすくなるとおもった。最後にフレイタスがYGサービスを出してこなかったのですごくやりづらかったけど、出足の1,2ゲームを取ったのが大きかった。
相手のバック前にサービスを出して相手のチキータを狙って、ストップも甘いので狙いにいったし、前回はフォア前サービスからの展開だったけど、そこは変えました。前回2−2の最終ゲーム4−8からバック前のサービスから逆転できたので、それを使いました」
常にラリーの主導権を奪った丹羽。クールな試合ぶりはラブオールからゲームセットまで変わらず、勝利の瞬間、ガッツポーズを見せたのが唯一感情を爆発させたときだった。
「プレッシャーは全然ないです。この舞台で1番でやれる喜びもあったし、みなさんの応援もあったのでやりやすかった。緊張も全くなかった。最後のガッツポーズはメダルを決めたような気持ちでした。
ドイツには何回も負けているので地元開催で勝ちたいオフチャロフとボルには今まで勝ったことがないので、向かっていきたい」
会見で答える丹羽はいつもと同じ。笑顔も見せないクールなコメント。しかし、内側には熱いものを感じた。ドイツ戦で何かをやってくれる予感がする。明後日は丹羽に注目だ。