●男子シングルス決勝
樊振東(中国) 8、ー9、ー9、8、5、4 村松
村松雄斗、男子シングルスは銀メダル……!
惜しくも敗れたものの、村松のプレーは素晴らしいものだった。樊振東の強烈なパワードライブに一歩も退かず、何本でもバックカットで返球。樊振東が焦って強打をミスするパターンが多かった。ゲームカウント1ー1の10ー9では、カットから逆襲のバックドライブを見事に決め、大観衆をどよめかせた。第3ゲームも、力攻めに来る樊振東にミスが目立ち、村松が11ー9で連取。
第4ゲーム、3ー4で村松はまたも連続バックカットから、前に出て必殺のバックドライブを一閃。5ー4と逆転したところで樊振東のロングサービスがオーバーミスになる。ベンチの閻森監督がたまらずタイムアウト。中国独特の、先手を取ってくるタイムアウトではなく、追い詰められて取らざるを得なかったタイムアウト。中国の勝利を確信していた観衆もさすがにざわつきはじめる。
しかし、ここから樊振東は世界ランキング3位の底力を見せた。無理にコースを打ち分けるよりも、フォアへの低く沈むドライブと、バッククロス・フォアストレートへのパワードライブで攻める。フルスイングしたボールは、さすがの村松も抑えきれない。一度は崩れかけたように見えた樊振東のメンタルだが、終盤にいくに連れて再び揺るぎない強さを見せた。
ユース五輪というにはあまりにハイレベルな男子シングルス決勝。村松の頑張りには本当に涙が出た。「負けて悔いなし」などと言える選手は絶対にいないと思うが、不肖・速報担当は取材して悔いなし。さあ、混合団体でリベンジだ。