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速報・現地リポート

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アジア競技大会・卓球競技

●女子ダブルス準決勝
劉詩ウェン/武楊(中国) 5,-7、9,8,4 キム・ジョン/キム・ヘソン(北朝鮮)
朱雨玲/陳夢(中国) -4、9,5,4,4 李皓晴/呉穎嵐(香港)

●混合ダブルス決勝
キム・ヒョクボン/キム・ジョン(北朝鮮) 10、10、-10、6,6 江天一/李皓晴(香港)  

卓球が、スポーツが38度線を超えた瞬間だった。
2002年にやはり韓国の釜山で行われたアジア競技大会でも北朝鮮チームが韓国を訪れ、プレーしている。今回もまた北朝鮮が韓国を訪れ、卓球では、キム・ヒョクボン/キム・ジョンが決勝で香港ペアを破り、金メダルを獲得した。この北朝鮮ペアは2013年世界選手権パリ大会でも優勝している世界のトップペアだ。
試合の出足から、北朝鮮ペアには地元韓国の大応援団がついていた。
競り合いながらも最後の1本を後押ししたのはそんな「ホーム」の熱い空気だった。スポーツに政治は介在しない、というのは理想論だ。政治力が無くては国際舞台でスポーツは開催もできないし、選手たちも動けない。
北朝鮮と韓国は「休戦状態」である。1950年代の国を二分した「朝鮮戦争」は終わっていない。38度線という境界線を引かれ、同じ民族が分断された状態は未だ続いている。
同胞でありながら、戦争相手である北朝鮮チームの大勢の選手団を受け入れた韓国。その韓国の地で韓国の人たちから熱い応援を受けて戦う北朝鮮選手。政治あっての国際スポーツであっても、休戦ラインを超え、同じ民族として勝利を喜ぶ姿がそこにあった。


  • 混合ダブルスで優勝したキム・ヒョクボン/キム・ジョン(北朝鮮)

  • 優勝した瞬間の北朝鮮ペア

  • 表彰式の優勝ペア

  • 銅メダル獲得の岸川聖也と福原愛