〈中国 3ー0 日本〉
○劉高陽 8、9、6 伊藤
○陳幸同 9、5、5 佐藤
○王曼昱 11、ー10、9、4 平野
日本女子、決勝で中国に0ー3で敗れ、銀メダル…!
1番伊藤が第1ゲームのラブオールで、バックハンドからフォアスマッシュを決めて幕を開けたこの試合。試合前の練習で、バック表ソフトでのレシーブや変化ブロックなどを入念に確認していた伊藤は、フォア前でも基本的にバック表ソフトでレシーブし、フォアのストップを混ぜた。第1ゲーム1ー4から5点連取で6ー4、第2ゲーム7ー7からまたもバック表ソフトのレシーブでミスを誘い、8ー7とリードして中国ベンチのタイムアウトを誘う場面もあった。しかし、左右に振り回しても、劉の低く伸びのあるフォアおループドライブになかなかカウンターができず、連続攻撃を許す展開。バックにつないだボールは、上からたたくようなバックドライブで狙われ、次第に打つ手がなくなった。
2番佐藤は、アジアジュニアチャンプの陳幸同と対戦。陳のフォアのパワードライブは女子離れした迫力で、第1ゲームで2個ボールが割れるほどだったが、それ以上に中陣での守備力が抜群だった。佐藤の威力ある3球目フォア強打を正確にブロックし、カットに追い込んでドライブで反撃する。
佐藤の後陣からの正確なカット、機を見ての反撃は観客の心をとらえ、貴賓席で観戦していた徐寅生・元ITTF会長が盛大な拍手を送る場面も。しかし、豪快に攻めながら、対カットの深追いを避けて冷静に攻めた陳が勝利した。
日本女子で唯一ゲームを奪ったのは平野。フォア前への巻き込みサービスで長身の王を揺さぶり、ループドライブで持ち上げてきたボールはフォアクロスへ正確なカウンタードライブ。フォアドライブの連打にもミスがなく、常に自分の間合いでプレーしていた。昨日の準決勝後、「平野は日本女子のエースになっていく存在」と語っていた呉光憲監督。その平野をあえて団体戦の要(かなめ)・3番に配して必勝を期した、その期待に応える試合内容だったが、あと一歩及ばず。
中国の壁はまだ、厚かった。