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平成26年度全日本選手権大会速報

 全日本で5回のランク入りを誇る、男子では貴重な右シェークバック表攻撃型・坪口道和(KTY長崎)。男子シングルス3回戦で星野直樹(埼玉工業大)にストレートで敗れ、最後の全日本選手権を終えた。
 昨年は地元での長崎国体というビッグイベントを経験したが、そこからプラスチックボールへの対応に苦しみ抜いた。「言い訳になるけど、プラスチックボールになって2カ月練習しても調整できなかった。今までずっと卓球をやってきているのに、最後は違うスポーツをやって引退するような気がしました。軟式の試合に出たようでした」(坪口)。プラスチックボールへの対応は、卓球を作り上げてきたベテランの選手ほど難しくなる。

 戦ってきた全日本を振り返り、「全日本で一番うれしかったのは、松下浩二さんに勝って初めてランクに入った(平成18年度の)大会」と語った。坪口。「でもランクに入れば入るほど受け身になってしまった。目標の設定をランク入りに置いてしまったのが、自分のプレーヤーとしての資質ということかもしれません。長崎に帰って、だんだん力が落ちていく中で、ヤマダの後輩の丹羽とか、上田とか、(松平)賢二とかと戦って勝てる感じがしなかった。それはつらかったですけど、長崎の皆さんも応援してくれたし、日産の佐藤(正喜)監督からも今朝「最後まで頑張れよ」とメールをいただいた。皆さんに応援していただけて幸せだった」(坪口)

 今後は教員の道を目指すという坪口。バック表ソフトの強打と、目の覚めるようなカウンターで全日本を沸かせた男が全日本の舞台を去る。これからは地元・長崎の卓球界を盛り上げてもらいたい。