リオデジャネイロ五輪の代表切符をかけて、男子以上に厳しい戦いが繰り広げられている日本女子。このジャパンオープンこそ、リオ五輪・選考レースの大きなヤマ場だ。
日本女子は女子シングルスになんと18名がエントリー。このうち、決勝トーナメントから出場する第16シードまでに入っているのは、第5シードの石川佳純(全農)、第7シードの福原愛(ANA)、第9シードの伊藤美誠(スターツSC)、第13シードの平野早矢香(ミキハウス)、第16シードの石垣優香(日本生命)まで。シードは15年5月発表のランキングによって決まるので、6月のランキングで19位に躍進した平野美宇(JOCエリートアカデミー)も、予選ラウンドから出場。決勝トーナメント(32人枠)に勝ち残るための予選ラウンドも非常に熱い戦いになる。
女子ダブルスは活躍が期待された平野美宇/伊藤美誠が出場を回避。強行日程での疲労もあるが、リオ五輪が終わるまではこの名コンビもしばらく活動休止か。その代わりと言ってはなんだが、大会期間中の6月26日、14年ドイツオープンでの平野美/伊藤ペアの女子ダブルス、15年ドイツオープンでの伊藤の女子シングルスという、ふたつのワールドツアー史上最年少優勝に対し、ギネスブックの認定証の授与式が行われる予定だ。
U-21女子シングルスには、日本選手団で最年少の小学5年生・木原美悠(ALL STAR)が出場。バック表ソフトの変化とフォアスマッシュ、抜群の勝負度胸で世界に挑む。
中国女子は李暁霞がエントリーから外れ、カットの劉斐が替わりに出場する。丁寧・劉詩ウェン・朱雨玲・陳夢の4人は強い。蘇州大会で右足を傷めながらも優勝を飾った丁寧は、故障が長引きながらも、超級リーグで徐々に調子を上げている。蘇州大会でベスト8に終わった朱雨玲、シングルスのエントリーから外れた陳夢にも意地があるだろう。
日本勢にとっては優勝への大きな壁となる中国だが、例年のような2軍(ジュニア)チームのメンバーではないので、思い切ってぶつかれる部分もある。五輪の選考レースという面から見れば、ランキングの低い2軍チームの選手に当たり、負けてレーティングポイントが大きく減点されるほうがリスクが大きいからだ。そして選考レースで逆転での代表入りを目指す選手には、ここで一発、大物食いを狙ってほしい。
世界の強豪選手をピックアップすると、アジアでは第3シードの馮天薇(シンガポール)、香港の杜凱琹と帖雅娜、シンガポールの若い帰化選手リン・イエとジョウ・イーハンあたりが要注意。韓国は徐孝元・梁夏銀・田志希の3名がエントリーしてきた。ヨーロッパ勢では、日本女子がたびたび痛い目に遭っているサマラ(ルーマニア)、帰化選手のシャン・シャオナ(ドイツ)、リー・ジャオ(オランダ)とこちらもなかなか手ごわい。いやはや、今年の神戸は熱い!