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ジャパンオープン・荻村杯2015

男子シングルスではノーシードながら、鄭栄植(韓国)、唐鵬(香港)、朱世爀(韓国)、そして尚坤(中国)を破って勝ち上がり、決勝で許シン(中国)に迫った吉村真晴。高校3年生での全日本選手権の優勝後、なかなか成績が伸びない苦しい時期もあったが、ジャパンオープンの主役はこの男だった。技術、戦術、そして精神面と確かな成長を感じさせた。鮮やかなカムバックを、心から祝福したい。

表彰後の会見では、ゲームカウント1ー1の11ー10の場面でのスマッシュミスについて尋ねられ、「非常に悔しいミスと今でも思っています。あれが決まって2ー1でリードできれば、許シンに精神的なダメージを与えられた。ゲームを揺さぶる1点だった」と悔しさをのぞかせた。

これで吉村は世界ランキングを大きく上げ、リオデジャネイロ五輪の選考レースでも一気にスパートをかけた形だ。しかし、油断はない。「リオ五輪という大きな目標は常に置いているけど、大きい目標ばかり見て足下をすくわれるのが一番良くない。一戦ずつ、目の前の敵を倒すことに集中していきたい。その先にリオ五輪があると思います」(吉村)。許シンも賞賛した変化サービスも含め、これから中国にはライバルとして研究されることになるが、中国の確率論が通用しない意外性が、吉村真晴にはある。