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アジア選手権2015速報

●女子シングルス準々決勝
朱雨玲(中国) 6、4、5、-8、-20、9 伊藤

序盤、ラリーをことごとく取られ、あっという間に3ゲームを奪われた伊藤。
伊藤の超絶ストップレシーブ、フォアのブロック、バックのハーフボレーのどれを打たれても朱雨玲は対応してボールを繋ぐ。伊藤が速く打てば打つほど朱雨玲の返球も速くなり、完全にラリーを支配していた。

しかし4ゲーム目、伊藤はさらに打球のスピードを上げた。今までよりも強いフォアハンドとバックハンド、そしてそれまで三球目をバックで打っていたところでも、回り込んで強いフォアスマッシュを打つ。ラリーの中でもフォアのカウンタースマッシュを積極的に打ち、朱雨玲のブロックを打ち崩していった。打っても抜けない朱雨玲に対し、緩急崩すのではなく、朱雨玲の予測スピードを超えるスピードで打ち込んだ。

5ゲーム目の壮絶なスコアはお互いに一進一退のラリー。打ち込む伊藤、守る朱雨玲。何度もマッチポイントを握られながら、伊藤は思いきり打ち込み、5ゲーム目を奪取した。

6ゲーム目は紙一重で朱雨玲が取ったが、伊藤の非凡さを象徴するような試合で、対中国の突破口が見えたような濃厚な内容。これが中学3年生の試合とは思えない。

「最初は前半はついていけたけど、後半は離されて3ゲーム取られたけど、ラリーにはなっていたからやりにくくはなかった。自分のミスも多かったし。
 3−0に離されてから開き直って打っていったし、相手のボールも速くなって、そのボールが合っていた。回転量はあるほうだけど、それほどでもなくて、中国選手の中では少ないほうだからチャンスはあると思った。ラリーになるので、そういう選手には競れるようになっていると思う。
 3−0くらいに離されないとこういうプレーができない。思い切りいける状況にならないと難しい。3−0だからこそですね。でも序盤からできればいけるかもしれない。
 今まで一度も朱雨玲とやっていないので、やれてよかったです。中国選手はひとりひとり違うから、回転量とかサービスとかに慣れないといけない。でも朱雨玲はやりやすい。もう一度やりたいですね。サービスの組み立てとか、攻略法とかどんどん浮かんでくる。次対戦したらいけるかもしれないです」(伊藤)

敗戦後に落ち込むこともない。それどころか攻略法がどんどん浮かんでくるという伊藤。次の対戦が楽しみで仕方がない。
最後に伊藤は「おもしろかったです」とコメント。試合を楽しむ余裕、それが伊藤の強さなのかもしれない。
  • 中国と対戦するのが楽しみという伊藤はまだまだ底が見えない

  • 試合後、松崎コーチと試合分析をしていた伊藤

  • なんとか勝利したが、その顔に余裕は全くなかった

  • 孔令輝監督も声を荒げて朱雨玲に指示を出す