●女子シングルス決勝
朱雨玲(中国) 10、8、-6 キケン(3-1) 陳夢(中国)
なんという結末だろう。
4ゲーム目の2-1、両ハンドの激しいラリーを展開していた両者。朱雨玲のバックvs陳夢の両ハンドの攻防の末、フォアに激しく飛ばしたボールに飛びついた陳夢。
体勢を崩して打った返球はコートを外れ、朱雨玲にポイント。レベルの高い攻防に勝利した朱雨玲が「よー!」とガッツポーズの声をあげた。
立ち上がる陳夢だが、様子がおかしい。足を引きづり、ストレッチを始めるも、うまく立つことができなかった。タイムアウトを要求し、チームマッサーの治療を受けた。
場所は腰の左あたりの骨盤だろうか。原因は飛びついた際の衝撃。硬い床の今大会のコートは強く踏み込むと衝撃が体にもろに伝わる。心配になってコートに現れた孔令輝監督も「床の硬さ」を指摘していた。
マッサーの治療を受けていたが、時間が経つにつれてさらに痛みが増してきたか、陳夢は全く動くことができず、その場に横たわった。
賢明な治療も状況は変わらず、目に涙を溜めて、棄権を受け入れた。そのまま治療のため担架で運ばれていった。
表彰式では精一杯の笑顔を見せた朱雨玲。
陳夢が治療を受けていた時も心配し、側でずっと声をかけていた。
十分に強い朱雨玲を見せ、アジアチャンピオンに輝いたが、手放しでは喜べない。
明日の女子ダブルスも恐らく棄権となるだろう。