●男子予選グループD・第1戦
〈韓国 3ー2 クロアチア〉
鄭栄植 7、ー17、ー8、ー9 ガチーナ○
○李尚洙 8、ー4、4、6 譚瑞午
朱世爀 ー4、ー7、ー12 プリモラッツ○
○李尚洙 5、ー10、4、ー3、6 ガチーナ
○鄭栄植 9、ー10、6、6 譚瑞午
3ー2の大激戦となった、男子予選グループDの韓国対クロアチア。トップでガチーナが鄭栄植を破り、先制点を挙げたクロアチアは、1ー1の3番でなんと46歳の超ベテラン・プリモラッツが登場。対する韓国は、カットの朱世爀を3番に置いて確実に1点を取りに来た。
ところが、フタをあけてみれば、プリモラッツのカット打ちにはまったくミスが出ない。一見して普通のドライブに、予想以上に回転がかかっており、逆にナックル性のドライブは何度も朱世爀のカットのネットミスを誘う。そして確実につなぐループドライブには全くと言っていいほどミスが出ない。ゲームカウント2ー0とリードした第3ゲームをジュースで押し切り、なんとプリモラッツが朱世爀にストレート勝ち。試合直後の韓国ベンチはまるでお通夜のようだった。この後、4番李尚洙と5番鄭栄植が踏ん張り、辛くも勝利をおさめたのだが……。
それにしてもこのご時世、ストップをほとんど使わずに、フォアドライブだけで朱世爀のカットを攻略するテクニックは驚異。旧ユーゴスラビア時代の87年ニューデリー大会から世界選手権に出場しているプリモラッツ。「ゾッキ(プリモラッツの愛称)は昔からカット打ちはうまいんだよね。ドルトムント大会での日本戦のカット打ちを思い出すな」と語る弊誌コンノ編集長。このドルトムント大会とは、もちろん2012年大会ではなく、日本がユーゴスラビアに大逆転勝ちした、89年ドルトムント大会のことだと思われます。
43歳のシュラガーとクレアンガ、そして46歳のプリモラッツと、40代が元気な世界卓球。プリモラッツ、この勢いでノーチャンスかと思われたリオ五輪への道も……拓けるのか?