全日本選手権で、歴代最多タイとなる8回目の優勝を飾った水谷隼。06年ブレーメン大会以来、6大会連続となる世界選手権団体戦。今回の合宿では、疲労から右肩に痛みを抱えることもあったというが、かなり回復してきている。全日本選手権では、変化の激しいチキータを要所で使い、対戦相手を翻弄したが、「最近はチキータはあまり使っていません。肩への負担も大きいので、本番で使うかどうかは何とも言えない」と語る。
世界団体初出場の06年ブレーメン大会では、グループリーグで0勝3敗と苦いデビューだった水谷。しかし、08年広州大会のグループリーグ第4戦でシュテガーに敗れてから、グループリーグでは実に20連勝中。10年大会でオフチャロフやボル、12年大会でサムソノフ、14年大会でアポローニャやフレイタスと、強豪選手を次々に破ってきた。倉嶋監督が絶対の信頼を寄せるのも納得の成績だ。
「世界団体では、1ゲーム目をほとんど取れている。相手にプレッシャーをかけて自分は余裕は持てるので、スタートダッシュもかけられる。1ゲーム目はサービスも効くので、それがスタートダッシュにつながっていると思います。
ぼくは、どちらかといえば団体戦のほうが伸び伸びできる。1回負けてもまだチャンスがあるし、団体戦のほうが好きですね。シングルスよりあまり緊張しないので、自分のやりたいことができる」(水谷)
公開練習では、NTメンバーの平野友樹(協和発酵キリン)、そして大島の強打を相手に、自在なコース取りのカウンターを見せていた水谷。「ここから徐々に調子を上げていきたい」と、クアラルンプール大会にきっちり照準を合わせていく。