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世界卓球クアラルンプール大会速報

 ドイツとの再戦を制した日本女子。ゾルヤとのエース対決に勝利した石川、3番で締めた福原はさすが。しかし、殊勲者を挙げるとすれば、トップに出場し、出足から猛攻を仕掛けてドイツの勢いを止めた伊藤美誠ではないか。15歳、初出場の世界選手権団体戦で、切り込み隊長としての役割を十二分に果たしてくれた。

 「予想は韓国が来ると思ったけど、ドイツが3ー0で勝って、すごく良い調子だなとわかった。思い切ってやろうと思いました。緊張は昨日よりもなかった。楽しく思い切ってできました。
 一番での起用は今日の練習中に聞きました。ゾルヤと最初に当たる確率もあったけど、ジルベライゼンと当たると思って練習をしていた。ヴィンターの映像は見ていなかった。昨日のノートをしっかり見直して練習に臨めました。
 チームで獲ったメダルは5倍うれしいです。この結果で満足せずに、明日からしっかりもっと上を目指して頑張りたいです」(伊藤)。

 ヴィンター戦は中盤で強打のミスが多くなり、勝利目前だった第3ゲームを落として、第4ゲームも7ー10とゲームポイントを握られた。最終ゲームに持ち込まれたら、完全に流れはヴィンターだっただろう。ここでサービスエースを3連発したサービスの素晴らしい切れ味。11ー10のマッチポイントで、ヴィンターのレシーブはまっすぐネットに突き刺さった。この試合、ヴィンターは最初から最後まで、15歳の少女の掌(てのひら)の上にいたのかもしれない。

 準決勝・決勝でも、トップは伊藤で決まりか。そう思わせるほど、冷静かつ剛胆なプレーだった。