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世界卓球クアラルンプール大会速報

 日本を決勝進出へと導き、4番で勝利した後、なかなか涙が止まらなかった伊藤美誠。日本選手が笑顔で応援団の声援に応える中、ひとりタオルに顔を埋めた。
 日本対北朝鮮のコートのすぐ上には北朝鮮の大応援団が陣取り、ネットインや伊藤のサービスミスにもお構いなしで大歓声を浴びせてくる。その雰囲気の中で、よく最後まで耐え抜いた。福原は試合後、「美誠の試合を観ながら、ずうっと鳥肌が立ってました」と語った。

 「最後、やっと終わったという思いと、勝ってホッとした気持ちもありました。こんなに苦しい試合はなかった」と語った伊藤。
 「1試合目(キム・ソンイ戦)はあまりの自分の調子の悪さにビックリしたので、2試合目は思い切っていくしかない、思い切ってミスするのはしょうがないと思いました。リ・ミョンスンはフォアのカットがいやらしいカットだけど、2ゲーム目からはそれを狙うようにしました。ミスしてもスマッシュで決めるところはしっかり決めたかった。18-20のゲームはもちろん取りたかったけど、勝つこともあれば負けることもあるから割り切ってました。」(伊藤)

 日本女子の村上恭和監督は「1番で美誠が負けて、よく4番で勝ちましたね。それに美誠は3ゲーム目を18-20で落としたけど、そのあと勝った選手は見たことがない」と伊藤を賞賛した。耐えて耐えて、耐えてつかんだ決勝進出の切符。伊藤美誠は絶対にあきらめなかった。15歳の少女にこれだけの試合ができるのだ。「自分ももっと頑張ろう」「もっとやれるはずだ」。そういう勇気を観る者に与える一戦だった。

 石川、福原、伊藤が1勝ずつ挙げて決勝進出。日本女子は本当に強くなった。苦戦の連続を乗り越え、ここにきてガッチリ歯車がかみ合ってきた。明日は日本男子の準決勝、イングランド戦のみで、日本女子は試合がない。臨むは3月6日の女子団体決勝。十分に休養を取って大会最終日に臨みたい。