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ジャパンオープン・荻村杯2016

 6月15〜19日、東京・千駄ヶ谷の東京体育館で開催される「ITTFワールドツアー・Laoxジャパンオープン」。今年は決して見逃せない大会になりそうだ。
 男子シングルスで、決勝トーナメント1回戦から登場する第16シードの選手はアポローニャ(ポルトガル)。世界ランキングは20位なので、世界ランキングのトップ20のうち16人が今大会に出場するということ。「超」がつくほどハイレベルだ。世界ランキング21位以下の選手は、日本選手も含めて15〜16日の予選トーナメントに続々登場。大会序盤から世界トップクラスのプレーを堪能できる。

 日本男子は、チームのエースである水谷隼が、リオ五輪前の「正念場」を迎える。現在世界ランキング6位の水谷は、このままいけばリオ五輪の男子シングルスでは第4シード。ランキング上位の中国勢とは準決勝まで当たらず、メダルのチャンスが広がる。
 6月発表の世界ランキングでは7位の荘智淵(チャイニーズタイペイ)とはわずか4ポイント差。ここから突き放すべく、クロアチア、スロベニア、オーストラリアとワールドツアーを転戦し、スロベニアとオーストラリアでは優勝した水谷。ジャパンオープンでさらにランキングポイントを稼ぎ、決定的なリードを奪いたい。連戦に次ぐ連戦は体力的にも相当ハードだが……。

 もうひとりのリオ五輪シングルス代表、丹羽孝希は4月のポーランドオープンで世界ランキング98位のツムデンコ(ウクライナ)に苦杯。前回のロンドン五輪では団体戦で勝利に貢献できず、4年後のリベンジを誓った丹羽。リオ五輪を直前に控え、ここで調子を落とすわけにはいかない。強豪を破って自信をつけてもらいたい。前回の神戸大会で準優勝の吉村真晴は、右肩の故障はすでに問題ない状態。「サービスだけという周りの固定観念を壊したい」と語り、より多彩で安定性のあるプレーへと進化している。また、リオ五輪団体戦で起用されるであろう丹羽と吉村のダブルスは、世界の強豪ペアと対戦できるまたとない機会。中国の馬龍/許シン、樊振東/張継科との対戦が楽しみだ。

 他の日本選手も、地元開催でヒーロー誕生の予感あり。単複ともに活躍が期待される大島祐哉と森薗政崇、ドイツ・ブンデスリーガ参戦を控える村松雄斗、よりパワーを増している天才左腕・木造勇人、そしてスロベニアオープンで何鈞傑(香港)を破った「怪物」張本智和。東京の地で、世界の強豪相手に腕試しだ。

 海外男子では、オフチャロフ(ドイツ)と朱世爀(韓国)の欠場は残念だが、福建省厦門市で集合訓練中の中国男子が合宿を中断し、フルメンバーで日本に乗り込んでくる。昨年は世界選手権後で「物見遊山」の印象もあった中国だが、今年はかなり仕上がった状態で大会に臨むだろう。馬龍・張継科・許シン・樊振東という「ビッグ4」の中で、やはり注目は馬龍と張継科。ワールドツアーなどでは張継科がやる気を出さず、イマイチ盛り上がらないこともしばしばだが、今回はどうなるか?

 黃鎮廷(香港)、鄭栄植(韓国)、そして荘智淵(チャイニーズタイペイ)というアジアの強豪たちのプレーも楽しみだが、今大会はヨーロッパなどからの参戦も例年になく多い。ボールが吸いつくような抜群のボールタッチを誇るフレイタス(ポルトガル)、両ハンドドライブの一発の威力は凄まじいシバエフ(ロシア)、中陣で粘りに粘るイェレル(スウェーデン)など、個性派のスターたちをぜひチェックしてほしい。
  • リオ五輪でのメダル獲得へ近づきたい水谷

  • 丹羽、地元大会で完全復活なるか?

  • 強さと安定感が際立つ馬龍、優勝候補の筆頭だ

  • ポルトガルが誇る天才・フレイタス