●男子シングルス準々決勝
張継科(中国) 8、ー5、13、2、ー8、6 サムソノフ(ベラルーシ)
張継科対サムソノフ。12年ロンドン五輪でゲームオールの接戦を演じ、15年世界選手権でも随所に好ラリーを展開したふたりの対戦。身体がシェイプアップされたサムソノフは、以前よりも積極的な回り込みフォアドライブ、そして機を見てバックストレートへのカウンターバックドライブで張継科のフォアを抜いた。何度もゲームポイントを握った第3ゲームを取り、ゲームを先行していれば、もう少し張継科にプレッシャーをかけられたのだが……。しかし、サービスの球種とコースを変えながらサムソノフを揺さぶり、フォアクロスへのカウンターにさらにカウンターを合わせる好プレーを見せた張継科は、やはり強い。大会序盤はまったく気合いの入らない様子だったが、ラウンドが進むにつれて目つきが変わってくるあたり、やはり大舞台になるほど強い男だ。
試合が終わるたび、アリーナ席に座っているファンが選手の退場口にめがけて猛ダッシュ。人垣を作って待っている。素通りする選手もいれば、サインする選手もいるのだが、最後まで残って丁寧にサインをしているのが張継科。……いささか意表を突かれたが(失礼)、五輪金メダリストのサインをもらって、みんなうれしそうだ。