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ジャパンオープン・荻村杯2016

 シングルス表彰後の優勝会見に臨んだ劉詩ウェン。「女子シングルスで優勝できてとてもうれしいです。レベルの高いプレーを見せることができた。毎回日本の大会に来ると、すごく雰囲気が良いと感じます。観客の皆さんに感謝したい」とコメントした。最終日の観客の入りは、試合のレベルを考えると少々寂しいものだが、劉詩ウェンらしい気遣いだった。

 「ライバルであるお互いをどう思いますか?」という質問を受け、ふたりで顔を見合わせて笑顔で「どうする? なんて言ったらいいの?」と話し合っていた劉詩ウェンと丁寧。「もちろんライバルではありますが、今までお互いに励まし合ってきた。小さい時から一緒に練習して、ナショナルチームまで上がってきた。友人であり、良きライバル。どちらかが先に引退したら、きっと寂しく思うでしょうね」(劉詩ウェン)。一方の丁寧も、「劉詩ウェンはライバルでありチームメイト。試合ではもちろん対戦相手になるけど、昔から一緒に練習してきたし、お互いをよく知っている」と模範的な回答。

 リオ五輪でシングルス代表の切符を手にした丁寧と、団体3番手にあまんじた劉詩ウェン。ふたりのライバルはハッキリと明暗を分け、今大会の劉詩ウェンの表情は沈みがちだ。
 しかし、このふたりの関係は、なんとなく男子の王励勤と馬琳の関係に似たものを感じる。王励勤が丁寧、馬琳が劉詩ウェン。王励勤は世界選手権を三度制したが、五輪ではついに金メダルを手にできず、馬琳は世界選手権で何度も涙をのみながら、現役生活の終盤に北京五輪金メダルという実りを手にした。どちらがプレーヤーとして成功したか、結果的には甲乙つけがたい。

 劉詩ウェンとしては、リオ五輪の団体戦で結果を残し、4年後の東京五輪に向けた足がかりにするしかない。今大会の決勝で見せた、サイドを切るバックハンド強打、フォアストレートへのカウンタードライブの切れ味はすさまじかった。このプレーを続けることができれば、きっとチャンスはある。