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2016世界ジュニア選手権大会速報

 ITTF(国際卓球連盟)主催の大会では、今年10月1日から施行された新ルールがある。「競技の進行を遅らせることがなければ、競技者はラリー中を除いて、いつでも自由にアドバイスを受けることができる」というものだ。日本国内では2017年1月1日から施行されることになっている(高校生以下の大会には適用されない)。よほどのことがない限り、ベンチから退場者が出るようなことはなくなるわけだ。

 このルールが施行され、初の世界ジュニアとなる今大会。試合中はアドバイスや応援の応酬、ことによるとヤジの応酬のような世界になるのか(ならないですかね)と思っていたら、意外なほど試合の雰囲気は変わらない。

「オーストリアオープンで予行演習はしていた」という日本女子の呉光憲監督は、「ボールが転がってきた時などに、要所でパッとアドバイスを伝えられるので、効果的ですね」という。日本男子対チェコ戦の3番、松山対マルティンコ戦では、最終ゲーム5ー1から5ー5と追いつかれた場面で、やはりボールを拾いに来た松山に田㔟監督が「チキータをバックハンドではなく、フォアハンドで狙え」とアドバイス。最後は松山が、2本連続で思い切った回り込み攻撃を見せ、勝利に結びつけた。

一方、アドバイスの新ルールについて「あ、そうでしたね!」と特に意識していなかったのが平野。「自分で考えられるのが一番じゃないかなと思います」とコメント。ただ、これはアメリカ戦での試合が一方的な展開に終わったこともあるのだろう。窮地になれば、アドバイスが生きる展開も出てくるかもしれない。呉監督は「2、3年前は平野や伊藤はまだ小さかったけど、今は自分で試合を作っていける。私もベンチでのアドバイスはポイントだけに留めて、あとは自分で考えさせるようにしています」と語っている。

日本チームは、アメリカやチェコのベンチに日本語を理解する人はいないので、ボールを拾いに来たタイミングでなくてもアドバイスはできる。ヨーロッパの国同士になると、お互いのチームが分からない言葉でアドバイスするため、アドバイス用の「第二言語」が登場するかもしれない。