速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

2016世界ジュニア選手権大会速報

 心臓に悪い(?)ルーマニア戦を終え、ミックスゾーンではさすがに安堵の表情を見せた田㔟邦史監督。試合中のアドバイスの解禁で、要所では選手たちに「サービスはフォア前徹底しろ!」「回転で攻めればいいよ!」「短いサービスで!」などと声をかけていく。ルーマニア戦の勝利は本当に大きかった。もし敗れていたら、グループE最終戦のルーマニア対チェコ戦をハラハラしながら見守らなければならなかった。

 エース格の木造を外したオーダーについて、田㔟監督は次のように語った。「ルーマニアのプレテアがこの前、JNTの合宿で来日していて、ゲーム練習で松山が勝っていた。松山を2点起用したのは、プレテアとの相性の良さというデータがあったからです。それに1試合目の出来を考えて、松山のほうが良いと判断した。木造が1試合目の後でかなり落ち込んでいたこともあって、一度頭をクリアにしてもらいたかったので、思い切って外しました。今のジュニアではこの4人がトップ4なので、誰が出てもやってくれるだろうなとは思っていました」。

「最後の松山の最終ゲーム9ー9では、彼が勇気を持ってチキータをやってくれたからネットインになった。その前、(最終ゲームの)5ー5の場面で相手(シポシュ)がバックで変なロングサービスを出して、松山が打って得点していたので、ここでロングサービスは来ないだろうと読んだ。ベンチから『チキータでいいよ』と指示をして、よく勇気を持ってやってくれたと思います。ストップがうまくとまっていなかったので、それなら選択肢はチキータしかなかった。

 2試合とも、ここまで苦労するとは正直思わなかったですね。でも、選手たちはすごく良い経験をしていると思う。みんな初出場だから、この2試合だけで相当良い経験になると思います。この経験があるからこそ、次回で自分のやるべきことがわかってくるし、これをステップにシニアでの成長につなげてほしい。本当に一つひとつですよ。

 明日は楽に勝てる相手はいない。でも中国や韓国も良い勝負で、やってみないとわからないところがある。だから選手たちも自信を持って、この2試合を乗り切ったことで、明日は新たな気持ちで頑張ってほしいなと思います」(田㔟監督)。