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2016世界ジュニア選手権大会速報

表彰式後、ミックスゾーンで取材に応じた日本男子の田㔟邦史監督。主力として期待された木造の不調という緊急事態に際し、思い切って調子の良い松山を起用。松山が団体戦のラッキーボーイとなってチームを波に乗せ、木造も次第に復調。ルーマニア戦で準備不足から敗戦を喫した張本も、決勝トーナメントでは試合前から入念に準備をして、確実に勝利を重ねた。すべてが最高にかみ合った状態で決勝を迎え、難敵・韓国を撃破。わずか3日間の出来事だが、そのチームマネジメントは見事だった。以下は田㔟監督のコメント。

「選手たちは本当によく頑張ってくれました。木造の出足が大きかったですね。今までにない完璧な試合でした。試合の雰囲気も作ってくれたので、それが決勝のすべてでしたね。
木造と趙勝敏は、これまでに良い勝負をしていたので当てにいこうと。智和はこれまで安宰賢に一度も勝ったことがなくて、3回か4回やって全部負けていたんですけど、今大会これまで智和は一度も左とやっていなかった。ここで突然左とやらせるのはちょっと難しいと思って、安宰賢に当てにいった。木造は1ゲーム目はサービスがすごく効いて、2ゲーム目からチキータされはじめたけど、チキータの処理がすごく良かったし、引き合いでも勝てていた。彼自身もすごく自信を持ってプレーできていた。

(張本)智和は安宰賢とチェコオープンでやっていて、しっかり対策を立てていた。前回は台上が中途半端になると先に打たれていたので、確実にストップするか、ストップができなければチキータで長くいって、智和の得意なバックで先手を取る。バックサイドに詰めれば、必ず回り込んでくるので、チャンスがあればフォアに回す。この作戦を練習していて、そのとおりになりました。選手たちはこういう場で、いろいろなことを体で覚えて、頭で覚えていくのかなと思う。この経験は本当に大きいですよ。

3番松山はここで決めてほしかったけど、これまで3ー2をくぐり抜けているので(笑)。ひとり1点ずつという戦い方でした。決勝はその通りの戦い方ができたし、松山は全勝ですからね。ビックリです。彼には驚いてます。彼の頑張りがなかったら予選リーグで負けている可能性もありましたし、みんな褒めてあげたいと思います。

勝った瞬間はうれしかったですけど、本当に世界チャンピオンになっちゃったなという半分信じられない気持ち。母体の監督さんが頑張ってくれたのもあるし、ぼくが監督になる前に日本卓球協会が作ってきた育成システムの成果が出てきたのだと思います。女子があの場所で良い雰囲気を作ってくれた影響も、間違いなくありますね」(田㔟監督)

世界ジュニア前から合宿などが続き、家には1カ月帰れないという田㔟監督。「家族も喜んでくれると思います」と最後に付け加えた。日本の家族の皆さん、パパは南アフリカで相当頑張ってますよ。日本に帰ったら優しくしてあげてください。
  • 戦況を見守る田㔟監督。そりゃ肩に力も入ります

  • 決勝トップで勝利した木造と握手