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2016世界ジュニア選手権大会速報

昨日の男子団体決勝で韓国に快勝し、実に10年ぶりとなる優勝を果たした日本。愛工大名電高3年の松山祐季、同2年の木造勇人、JOCエリートアカデミー/帝京3年の龍崎東寅、同じくJOCエリートアカデミーで中学1年の張本智和という「名電+エリートアカデミー」で構成されている。

日本からはるばる南アフリカを訪れ、決勝で2点を奪った教え子ふたりのプレーを見守った愛工大名電高卓球部監督の今枝一郎さんは、男子団体決勝を振り返って「本当に感動しました。選手たちを本当にほめてやりたい。応援も、観覧席からあんなに声を出したの何年ぶりだろうというくらいです」と語った。

今枝さん曰く、日本チームは混合ダブルス2回戦を終えてから男子団体決勝に入るまでの過ごし方が良かったという。「田中礼人さんのウォーミングアップでみんな笑顔になって、雰囲気を盛り上げるような準備をしていただいて、練習は対戦相手の韓国が割とルーズにやっていたのに対して、こちらは今この練習で緊張感を持ってやって、試合になったらリラックスして戦おうと。そういう流れが非常に良かったですね。逆に韓国はトップの趙勝敏なんか、緊張でいつもとは違って見えた。前日の中国戦では本当に強かったですから」。

チェコ戦で2敗し、苦しい出足になった木造に対しては、「木造はいつもそうなんですよ、一度失敗して入らないと踏ん切りがつかないというか、そういうタイプなんです」とコメント。しかし、そこからの木造の切り替え、そして決勝トップでの会心のプレーには大いにしびれたという。
「木造には『男になれ』と言いました。負けてどうのこうの言う試合じゃない。やるかやられるかという、代表同士の試合だろうと。そして決勝トップでは先手、先手と攻めて、ブロックは1球だけで次は必ず狙いにいっていた。3番松山は、いかに決められるかというところだったけど、よく決めてくれました」(今枝さん)。

8月のインターハイで男子学校対抗・男子単・男子複の3冠を制した愛工大名電。松山も木造も、男子学校対抗決勝のしびれる場面で勝ち星を挙げ、特に松山は4番での勝利でチームの優勝を決めている。団体戦の出場機会が少ないJOCエリートアカデミーと、プレッシャーのかかる団体戦での試合経験が豊富な強豪校の融合。過去の世界ジュニアでも、これがひとつの「勝利の方程式」だ。
  • 練習場での今枝さん(左)と松山