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2016世界ジュニア選手権大会速報

●男子シングルス決勝
張本智和 ー7、ー9、6、10、8、ー7、7 趙勝敏(韓国)

大会の最後の最後で、日本チームを覆う重苦しい空気を吹き飛ばす快挙!
張本が趙勝敏を下し、初出場にして初優勝。さらに2003年6月27日生まれ、まだ13歳の張本は史上最年少優勝という快挙も達成した!

男子ダブルスで見せた豪快なプレーが観客にアピールしたのか、試合序盤は観客も趙勝敏への声援が多かったが、張本の奮闘に次第に会場の空気が変わった。「ハリモト!」「ハリー、ゴーゴー!」「トモカジュ!」という声援が、「ゴー! コリア!」という韓国への声援と錯綜。この大会最終日、観客席は空席ばかりが目立っていたが、両選手が繰り広げるスーパーラリーが決して多いとは言えない観客を熱狂させ、興奮の渦へと巻き込んだ。

試合の大きなポイントは第4ゲーム。誰もが手こずる張本のチキータを苦にしない趙勝敏に対し、張本はバックへの深く切れたツッツキを有効に使う。「出足で予想と違って、思ったより得点できなかったので、戦術を変えました。(趙勝敏は)チキータをすごくうまく返してきたので、ツッツキからのプレーに変えました」とベンチに入ったお父さんの張本宇コーチ。さらに6ー7の場面で、今大会たびたびフォルトを取られていた趙勝敏のサービスが、またもフォルトの判定。
「Why?」と審判へ向かって両腕を広げる趙勝敏。意気消沈した趙勝敏から張本が10ー7とゲームポイントを握り、結局このゲームを12ー10で制し、2ー2のタイに持ち込む。

第6ゲームは出足で離されて落とした張本だが、第7ゲームはフォアストレートへ狙い打つチキータ、そして相手のチキータをバックストレートへ打ち抜くフォアドライブなどで4ー1、6ー2とリード。6ー6に追いつかれるも、再び突き放して11ー7で勝利。その瞬間、プレッシャーから解き放たれるようにその場に崩れ落ち、フロアに大の字になった張本。13歳での史上最年少優勝に「2年前までは世界ジュニアはいつか出られるといいなと思っていた。まさか2年後にその大会でチャンピオンになれるとは思わなかった。本当にうれしいです」と語った。
  • 気合いあふれるプレーを貫き通した張本

  • 趙勝敏、完勝ペースから失速

  • 最後の一本は全力を振り絞ったバックストレートへの一撃

  • 優勝の瞬間、フロアに崩れ落ちた

  • ベンチに入った父・張本宇さんと歓喜の抱擁