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2016世界ジュニア選手権大会速報

男子シングルスを制し、「今大会、自分では目標は4冠と言っていたけど、男子シングルスは一番難しいタイトルだと思っていた。うれしすぎて言葉に言い表せないです」と語った張本智和。13歳での優勝は驚異と言う他ない。3回戦で16年アジアジュニアチャンピオンの徐海東(中国)、準々決勝で16年ヨーロッパユース選手権ジュニア優勝のカシン(フランス)、準決勝で楊碩(中国)を連破。そして決勝では、過去に丹羽孝希や大島祐哉にも勝っている趙勝敏を退けた。
この4試合のうち、楊碩戦は4ー2だったが、他の3試合はいずれもゲームオール。その勝負強さの理由を本人は「普通に気合いだけです」と語るが、苦しい場面になるほど力を発揮するメンタルは、まさに超一流の素質。その頑張りに魅了された観客が、表彰式後に新チャンピオンと記念写真を撮ろうと、大挙して彼の周りを取り囲んだ。

優勝の瞬間、すべての体の力が抜けたように、フロアに倒れ込んだ張本。最後は得意のエビぞり、「ハリバウアー」を決めるかと思ったが、本人は笑顔で「疲れていたので……」とコメント。「ワールドツアーとかでは最近、体力不足とか言われていた。今大会は試合数が多かったけど、最後に優勝できたのはうれしい」(張本)。ルーマニア戦でプレテアに敗れ、試合前の準備不足を痛感してからは、試合中にダダダッと足踏みをする光景が多くなった。


「2年前までは世界ジュニアはいつか出られるといいなと思っていて、まさか2年後にその大会でチャンピオンになれるとは思わなかった。本当にうれしいです。疲れはあったんですけど、疲れたなんて言っているヒマはないので、全力でやりました。自分はブロックが結構自信があったので、(趙勝敏の)サービスは切れているから、チキータで狙うよりツッツキで返して、ブロックとカウンターで返していこうという作戦でした。とりあえずブロックでつなぐ、ひたすら相手より一本多くつなぐと決めていました。今回は(3回戦の)徐海東戦が一番のヤマだと思ったので、そこを乗り切れてからはゲームオールになっても落ち着いてプレーすることができました」(張本)。

ベンチに入った父の張本宇コーチは「優勝するのは目標でしたが、難しいと思っていました。優勝はしたけど、まだ実力が足りないと思います。パワーだとか、課題はまだいっぱいある」と試合後に語った。勝負強さの秘訣については「毎日練習した成果ですね。あと教える時に、一本一本を大事にさせたことが一番だと思います」とコメントしている。ちなみに息子さんへのご褒美はまだ考えていないとのこと。「大会期間中は携帯電話は私が管理しているので、とりあえず、いますぐ携帯電話を本人に返しますね」。……そう、新チャンピオンはまだ13歳なのだ。