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平成28年度全日本選手権速報

 男子決勝は王者・水谷隼と吉村和弘の対決。
 準決勝で吉田海偉を打ち崩した吉村の勢いは落ちていない。1ゲーム目を11-9で吉村が取った。チキータが冴えている。
 2ゲーム目は、水谷はサービスの組み立てを変え、自分のペースに持ち込み、11-7で取り返した。ここからが本当の勝負だろう。
 3ゲーム目、水谷はレシーブから完全に吉村を崩している。5-4から8-5、9-7、ラリーを制し10-7とゲームポイント。11-8で水谷が連取し、ゲームカウントを2-1とした。徹底してストップレシーブを使い、台上からの展開に持ち込んでいる。

 4ゲーム目、5-7から7-7に水谷が追いつき、8-7で逆転、8-8から吉村のスーパープレーが出て、9-8と吉村リードするが、チキータを水谷がカウンターで狙い、9-9で吉村がタイムアウト。10-10とジュースになり、ここで水谷がサービスミスするも11-11に持ち込む。13-11で水谷が取り、史上最多の9度目の優勝に近づいた。

 5ゲーム目、1本目からエンジン全開の水谷。2-2から5-2と離す。6-4、7-5と優勝に近づく。7-6、8-6、10-6とマッチポイント。最後はドライブを決め、9度目の優勝。史上最多の優勝記録を塗り替えた。
「リオでメダルを獲った重圧が強かったけど、最終的に優勝できて良かった。初優勝した時からこの記録は狙っていました。11年という長い道のりでした。いつか東京体育館が満員になってほしいと思ってました。そこでプレーができて幸せです。吉村君のチキータはすごかった。そこを封じることができた。もっともっと若い選手が強くなって、ぼくから優勝を奪い取ってほしい。死ぬ気でこのタイトルを守ってきた。まだ世界卓球でメダルを獲っていないので、そこで中国を倒してメダルを獲りたい」と試合後のコメント。

★吉村 試合後のコメント 
 実力は水谷さんは凄く上なので、立ち向かっていくだけだったが、悔しい。
 レシーブから積極的にチキータでしかけて、できるだけラリーにしないような戦術で取り組んだ。(第4ゲームは)プレッシャーを与えられたが、7-3のチャンスを逃してしまった。相手は徹底的に自分のフォア前を攻めてきて、そこをうまく攻略できなかったところが一番大きいと思う。
 今大会、1試合1試合全力で集中力高く戦えて、精神的なところでのレベルアップが一番大きい。課題は、フォア前に多く攻められるので、台上でのプレーの幅を広げていくこと。
 (兄・真晴が五輪でメダル獲得について)オリンピックでメダルをとったことは凄く嬉しいが、やはり兄弟としては同じ卓球選手なので、今回は兄を超えるという強い気持ちで臨んだ。今年1年良いスタートが切れた。プレッシャーもかかるが、世界で通用できる選手になりたい。


●男子シングルス決勝
水谷隼(beacon.LAB) -9、7、8、11、6 吉村和弘(愛知工業大)