カジノでの借金スキャンダルが持ち上がり、審査を受けるために帰国した孔令輝・中国女子監督。中国チームの劉国梁総監督は、女子の監督代理として李隼コーチを起用する意向を示した。
「3人の大満貫(五輪・世界選手権・ワールドカップでの優勝)を育てるなど、李隼は非常に経験豊富で実績を残しているコーチだ。女子チームでも長く指導に当たり、女子チームの選手について、そしてライバル選手についても熟知している。私も女子チームの指導に優先順位を置くつもりだ」(劉国梁)
これまでに王楠、張怡寧、李暁霞らを指導してきた李隼コーチは現在53歳で、元中国代表・日本代表の羽佳純子さんの実兄。国家チームでプレーした経験がないにも関わらず、国家チームのコーチとなった異色の存在だ。
現在の規定では、国家男女チームの監督には世界チャンピオン、もしくは五輪チャンピオンでなければ、なることができない。すでにコーチとしては圧倒的な実績を示しながら、李隼コーチには監督への道は開かれていなかったが、臨時のピンチヒッターとはいえ、思わぬ形で監督の座が巡ってきたことになる。