●男子シングルス準々決勝
許シン(中国) 9、ー6、6、8、4 張本智和
13歳・張本智和、許シンに挑み、2ゲーム目を奪うも1ー4で敗れる……。
台上のチキータから完成度の高いバックハンドの攻守を誇る張本に対し、許シンはサービスを徹底してフォアに集めてきた。1ゲーム目の9ー10の場面で、フォア前へのサービスをチキータで勝負し、オーバーミスとなってこのゲームを落とした張本。2ゲーム目はサービスをよく見切り、フォアフリックでレシーブエースを奪う場面もあり、11ー6で取り返す。場内には「ア〜リモット!!」の声援もこだまする。
しかし3ゲーム目以降、許シンは張本のペースには決して乗らなかった。5ゲーム目の10ー4で迎えたマッチポイントでは、台上に浮いたボールをミドルへパワードライブで打ち抜いたが、一発で決めるような豪快なフォアドライブは、試合を通じてもほとんど打っていない。弧線の低いループドライブで絶妙に張本のミスを誘い、リーチの長いボクサーが距離を取って打っては逃げる「アウトボクシング」のよう。しかし、確実に得点は稼いでいく。
5ゲーム目は4ー5から、許シンが一気の6点連取。最後は張本もやや集中力が切れた感があった。13歳で挑んだ準々決勝の舞台。その器の大きさを随所で証明しながら、経験の差に敗れた一戦だった。