第6シードとしてドローに臨み、準々決勝で許シン(中国)と対戦するブロックに入った水谷隼。2回戦ですぐに張本智和と当たる組み合わせになったのは残念だが、中国のビッグ4が第1〜4シードを独占する中で、メダルを懸けて当たる相手が誰になるのかは重要なポイントだった。
結果的にリオ五輪で勝っている許シンが入ってきたのは、メダルに向けて一歩前進したと言える。第3・4シードのドローで先に張継科が数字を引き、水谷のブロックに入る「64」か隣のブロックの「65」、どちらを引くか固唾(かたず)を呑んで見守ったが、引いたのは「65」。この時点で水谷のメダルを懸けた対戦相手は許シンに決まった。張継科は故障続きでピーク時ほどの力はないかもしれないが、大舞台での強さを考えるとやはり張継科は怖い。水谷はドローの終了後、次のようにコメントしている。
「許シンともし当たればリオ五輪以来ということで、約1年ぶりの試合になるんですけど、彼もかなり対策をしてきているでしょうし、リオ五輪と同じようにはいかない。自分もリオ五輪の時からさらに進化したプレーを彼に見せられたらいいと思いますね。
自分のキャリアの中で、世界選手権でのメダルはものすごく重いものがある。歴史がそれを物語っているように、(男子では)79年大会からメダルから遠ざかっているので、やっぱりここでメダルを獲りたい。自分にしかできないことだし、そのチャンスがあると思っているので達成したい」
28日午前中の会場練習には参加しなかったが、「まだシングルスが始まるまで3日あるので、そんなに焦らず、本番に疲れを残さないように迎えたいと思っています」とコメント。大会までハードなスケジュールが続いたこともあり、無理をせずに調整していく構えだ。「あとは自分が思うコースにサービスを出せるよう、しっかり練習するだけですね」(水谷)。