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2017世界卓球デュッセルドルフ大会速報

 昨年のリオ五輪で団体銀メダル、シングルス銅メダルを獲得し、一躍時の人となった水谷隼。今大会前は5月8・12日にヨーロッパチャンピオンズリーグの決勝を戦い、15日朝に帰国してNT合宿に合流するハードなスケジュールだったが、ヨーロッパチャンピオンズリーグの通算成績は驚異の16勝0敗(対戦相手の棄権も含む)。見事にチームを2シーズンぶり4回目の優勝へと導き、「プレーも納得できる内容だったし、特に疲れもないです」と充実ぶりを感じさせた。
 「今までは世界選手権の前は、結構不安も多かった。他の国にも強い選手がいるし、まずは準々決勝までいって中国選手と当たることが目標という感じでしたけど、今は他の国の選手には負ける雰囲気はない。かなり自信がありますね」(水谷)

 「精神的にはオリンピックのシングルスのメダルを獲ったことで、非常に解放された部分があると思います。今まであった中国アレルギーや、個人戦でメダルを獲れなかったことへのコンプレックスがなくなったことで、今は非常に落ち着いてプレーができる」。そう語るのは、男子NTの倉嶋洋介監督だ。「五輪後にモチベーションを保つのが難しい期間はあったと思いますが、その中でチャンピオンズリーグという大会を生活の一番前に置いて、そこで素晴らしい結果を出して世界選手権を迎えることができている」。

 水谷自身が語る、ここ1年で最も伸びたポイントは台上プレーだ。近年、世界の卓球界ではチキータでのレシーブが大流行したが、対チキータのカウンターなどが発展してきたことで、不用意なチキータは逆に不利な展開を招くようになっている。「ぼくや五輪チャンピオンの馬龍はほとんどチキータをしない。今はチキータをしない選手のほうが逆に有利かなというのを感じています。ぼくはチキータ以外の台上プレーもすごく自信があるので、そこがレシーブで先手を取れている理由かなと思います」。

 そして今回、世界選手権では初のお目見えとなりそうなのが、ヨーロッパチャンピオンズリーグでテストしていた投げ上げのYG(逆横回転)サービス。「まだ名前は決めてないですけど(笑)、たぶん世界では今、ぼくだけしか使っていない。これから自分の一番の武器になってくるサービスじゃないかなと思います」。投げ上げサービスは会場の照明や空調に左右されるため、15年世界選手権後はしばらく封印していたが、この新サービスは貴重な「隠し玉」になるかもしれない。
  • 前々日に帰国した疲れを感じさせなかった、公開練習での水谷

  • 「中国以外の選手には負ける雰囲気はない」と頼もしいコメント