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2017世界卓球デュッセルドルフ大会速報

●女子シングルス準決勝
丁寧(中国) 4、8、5、ー5、5 平野美宇

平野、アジア選手権の再現はならず。現世界女王の丁寧に敗れ、銅メダルが確定した。

アジア選手権では「力攻め」で平野に敗れた丁寧。相手のボールを利用するのがうまい平野に対し、丁寧が自分から打つのではなく、平野に打たせる戦術を採用することは十分に予想できた。1・2ゲーム目、丁寧が自分から攻めたボールはほとんどない。平野の攻撃のミスによる失点がほとんどで、もう少し早く修正したかった。

丁寧は下回転系のサービスを平野のフォアに集め、動かしてから先に打たせ、バックハンドで揺さぶってミスを誘った。かつては力攻めで自滅することもあった丁寧だが、それだけの技術・戦術の幅が身についている。また、平野のサービスも研究され、試合を通じて丁寧のレシーブミスはほとんどなかった。

ただし、5ゲーム目の10ー5で丁寧がマッチポイントを握った場面。丁寧は自分が勝ったと勘違いして審判席に歩み寄り、間違いに気づいて苦笑い。すかさずベンチの李隼監督代理がタイムアウトを取り、間を取ったのはさすがだったが、丁寧も心理的には決して楽ではなかったはずだ。結果的には、その丁寧を楽にさせる試合展開になってしまった。

それでも丁寧のフォアをバックハンドのカウンターで打ち抜き、1ゲームを返した4ゲーム目のプレーは冴えていた。中国選手と当たらないブロックに入ったとはいえ、そこで準決勝まで勝ち上がれるのは並大抵のことではない。
平野はまだ17歳。中国の包囲網を破るチャンスはこれから何度も訪れるはずだ。
  • 平野、随所に好プレーを見せるも、丁寧に敗れる

  • 「後の先」のプレーで、平野を封じた丁寧

  • ゲーム序盤で先行される、苦しい展開が続いた

  • 丁寧、女王の意地を見せつけた