●男子団体準々決勝
〈広東省 3ー1 北京市〉
○林高遠 7、4、10 王楚欽
周啓豪 ー8、ー9、ー9 馬龍○
○張超 4、ー10、6、10 閻安
○林高遠 9、ー10、ー5、12、4 馬龍
〈上海市 3ー0 江蘇省〉
○許シン 9、7、6 朱誠
○尚坤 11、3、ー2、6 張煜東
○趙子豪 9、7、7 孫聞
馬龍がまさかの苦杯……! 北京市が準々決勝で姿を消した!
広東省と北京市の一戦は、トップで林高遠が先制した広東省が試合を優位に進めた。北京市の王楚欽はボールセンスは素晴らしいものがあるが、まだ自分が何をやるかで精一杯で、相手の嫌がるプレーが少ない。ループドライブの緩急と、中陣での粘り強さがある林高遠に軽くあしらわれてしまった。そして互いに確実に1点を取りに来た3番で、ベテランの張超が会心のプレー。すでに32歳、中国選手としては大ベテランの部類だが、ハンマーのように振り回すフォアドライブとカウンターのバックハンドは健在だ。
そして4番、林高遠と馬龍のエース対決。馬龍は1ゲーム目の9ー10、4ゲーム目の12ー12など、ゲーム終盤の重要な場面でサービスがあまくなり、林高遠にレシーブからドライブで攻められた。これは今大会採用された、『729』のシームレスボールが大きく関係しているのだろう。カウンターで空振りして台を見つめる場面もあり、プレーの完成度が高いゆえにボールにアジャストできない印象があった。第4ゲームに一度はマッチポイントを握りながら逆転され、最終ゲームは林高遠が8ー1と大量リード。そのまま決着をつけた。世界ジュニアでは「シルバーコレクター」だった林高遠が、ここまで伸びるとは……。本当に驚きだ。
上海市と江蘇省の一戦は、上海市が1ゲームしか落とさずに快勝。面白いことに上海市の許シンは江蘇省徐州市、趙子豪は江蘇省南京市の出身で、ともに上海の曹燕華卓球学校に入学してから急成長した選手。そのふたりが江蘇省チームから勝ち星を挙げた。期待の右ペンドライブ型・趙子豪の裏面チキータは安定感があるが、やはりペンドライブ型であるからには、もう少しフォアドライブの迫力が欲しい。