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全中国運動会・速報2017

 今日、8月28日、中国・天津の武清体育館で第13回全中国運動会・卓球競技が開幕する。卓球のみならず、陸上や競泳、サッカーに柔道に射撃など、実に42の競技が行われる4年に1度の総合競技大会。「中国の国内オリンピック」と言われる大会を、09・13年大会に続いて「編集部タロー」こと柳澤太朗が取材します。明日29日に中国へ飛びます。

 わざわざ中国まで取材に行く理由は、一も二もなく「レベルが高い」こと。男子シングルスは30名、女子シングルスは29名、そしてダブルス3種目は各16ペアと中国でも選りすぐりの選手しか出場していないので、混合ダブルスの初戦から恐ろしいほどハイレベル。全中国運動会のためなら、どんな奥地や僻地でも行きます。

 「中国選手は同士討ちだと冷めている、技術レベルは高くても見ていてつまらない」。そう感じている方もいるかもしれない。でも全中国運動会はまるで違います。団体戦では1ゲーム目の1本目から、ベンチで選手たちが立ち上がって応援し、コートの選手たちも全力で闘志をぶつけ合う。世界最高峰のテクニックを持つ選手たちが、インターハイ顔負けの熱量で戦うのだから面白くないわけがない。中国最大のスポーツの祭典で結果を出すことが、選手やコーチの評価に直結し、報奨金や助成金を得る貴重なチャンスにもなるので、選手たちの目の色が違うのだ。

 もちろん、中国最大のスポーツの祭典で優勝することは、この上ない名誉であることは言うまでもない。「五輪・世界選手権・ワールドカップ」の3大会で優勝することを中国では「大満貫」と言うが、さらに全中国運動会での優勝を加えて「全満貫」とも言うことを前回大会の時に知った。郭躍華に江加良、孔令輝に劉国梁、女子では曹燕華に喬紅など、世界チャンピオンになっても全中国運動会で優勝できなかった選手はたくさんいる。それくらい優勝するのが難しい大会なのだ。

 6月の中国オープンで男子シングルス2回戦をボイコットした馬龍、許シン、樊振東はその後、国際大会にも出場せず。その動向が注目されているが、今大会ではシングルスのシードに名を連ねており、問題なく出場する予定。故障続きとはいえ、張継科のプレーも気になるところ。今後どこまで現役を続行するかはわからないが、劇的な復活優勝を果たして「全満貫」を達成すれば、波乱万丈の競技人生にもひとつのピリオドが打たれるだろう。
  • 前回大会の男子シングルス表彰。馬龍が初優勝を飾った