●男子シングルス1回戦
張継科(山東省) 9、5、9、ー6、7 于何一(河南省)
張超(広東省) 11、ー1、4、ー8、7、10 劉イ(河北省)
劉丁碩(山東省) 6、9、8、ー9、8 朱誠(江蘇省)
馬特(天津市) ー4、10、3、ー7、6、6 周雨(解放軍)
程靖チィ(河北省) 8、ー9、7、ー9、9、10 黄鎮廷(香港)
王楚欽(北京市) 5、9、4、ー8、ー6、4 彭飛龍(上海市)
周愷(解放軍) ー11、8、ー9、4、8、9 徐英彬(黒龍江省)
夜の男女シングルス1回戦がスタートする、現地時間の午後7時の少し前。フロアへの入り口を抜けると、会場を埋め尽くす「張継科ガールズ」の大・大応援団が目に飛び込んできた。最初に女子シングルス1回戦が行われる間はおとなしかったが、フロアに張継科が入ってくると、場内は一気に沸騰した。
実際は5割程度だと思うが、現地にいる実感としては会場の8割くらいが張継科の女性ファンに埋め尽くされたような感覚だった。これはもう卓球の大会というより、アイドルのコンサートだ。声援を送るタイミングは、怖いくらい統制が取れているけれど。
対戦相手の于何一は、ボールのスピードではすでに張継科より上かもしれないが、出足からプレーが硬い。ファンの声援をバックに、張継科は確実にポイントを重ねた。一方で、第4ゲームを落とし、第5ゲームの出足でリードされた時には、会場にやや不穏なムードが漂ったのも事実。今の張継科は、若手が相手でも安心して見ていられる選手ではなくなっている。
第5ゲームの中盤で逆転して決着をつけ、大きなアクションもなくベンチに戻る張継科。そして一瞬だけファンの声援に応えて手を振る。その瞬間、超がつくほどの大歓声。この「ツンデレ」ぶりが乙女心をくすぐるのだ。これで明日も会場は大入りだ。
この男子シングルス1回戦でもうひとり、女性ファンの声援を集めていた周雨は地元・天津のカットマン馬特に敗れた。守備力のついてきた周雨だが、馬特のカットからのドライブでの反撃、さらに連続攻撃にミスが続いた。年齢的には、今大会が最大のチャンスだったのだが……。