●男子団体準々決勝
〈日本 3−2 フランス〉
○木造 −11、9、8、9 ロラン
○田中 −5、8、5、5 ベルトラン
髙見 −10、2、−11、8、−9 ランベール○
木造 6、−8、6、−3、−7 ベルトラン○
○田中 6、10、7 ロラン
なんと3時間2分に及ぶ大熱戦。日本男子、フランスに5番ラストまで粘られながらも勝利!
フランスは昨年までのエースであるカサンが上の年代に上がり、右シェークドライブ型のロランに、左シェークドライブ型のベルトランとランベールという顔ぶれ。ロランとランベールはチキータが得意で、3番髙見は最後までランベールのチキータに苦しんだ。最終ゲーム7−3とリードし、勝利は目前だったのだが……。
そして4番で木造を破ったメガネのベルトランは、長身で懐が深く、粘り強いブロックで木造を振り回した。対チキータのラリーには強くなっている日本だが、深く切ったツッツキを打たされ、ループドライブからの展開になるとミスが増える。今大会で使用されている『STAG』の卓球台はボールがすべりやすく、ループドライブに対する回転の残ったブロックは沈んだり、飛んでこなかったりすることも影響しているのだろう。
ここでチームのピンチを救ったのは田中。チキータ封じの強い下回転のサービスをうまく使い、3球目バックドライブは一発で決まる威力があった。第2ゲーム8−10のビハインドから4点を連取して逆転し、そのまま押し切った。
試合後、田中にインタビューしたITTFのイアン・マーシャルさんから、しばらくして「あのタナカは、1950年代に活躍したトシアキ・タナカと関係あるの?」との質問。「関係ないですよ」と答えたら、「良い名前だね!」とのこと。タナカさん、海外の人には珍しく感じられるんですね…。
★殊勲の星、田中の試合後のコメント
「世界ジュニアは初めての出場で緊張することが多いですが、落ち着いてプレーすることを常に意識していて、それを試合でも発揮できたと思います。
5番の2ゲーム目に8−10になった場面では、自分が開き直らなきゃいけないと思って、それまで順回転(右横回転)のサービスを出していたのが、下回転を切ってサービスエースを狙って、返ってきても対応できるように準備していました。今は緊張から解放されて、ホッとしています」