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2017世界ジュニア選手権大会

日本と韓国が白熱の一戦を繰り広げる中、隣のコートでは中国がルーマニアに完勝し、労せずして男子団体決勝へと勝ち上がった。

左シェークドライブの王楚欽、右シェークドライブの牛冠凱に、右ペンドライブ型の薛飛と徐海東というのが今回の中国男子のメンバー。薛飛はプレテアに中陣で粘られたが、結局はストレート勝ち。2番王楚欽はサービスと小さく切れたストップだけで、シポシュにまったく卓球をさせなかった。これまで快進撃を続けてきたシポシュの神通力も、中国には通じなかった。

気鋭の若手・牛冠凱が完全に「ビデオ係」になっているのは不可解。秘密兵器として、決勝の日本戦でいきなり2点起用……という可能性もなくはないが、結果が求められる今の中国にその余裕があるかどうか。薛飛と王楚欽の2点起用、3番徐海東というオーダーが現実的だ。

この3人の中で、やはり王楚欽は頭ひとつ抜けている。中国でも「数年後、必ず王楚欽の時代が来る」という声はある。一方でそれは、他にあまり有望な若手がいないということ。
薛飛の教科書的なフォアドライブのフォームは美しいが、馬琳のような良い意味で狡猾(こうかつ)なプレーがもっとあってもいい。フォアクロスの打ち合いに素直に応じて、ベンチの劉志軍監督に怒られている。徐海東はフットワークを生かした連続ドライブで攻めるが、許シンのような超人的な身体能力はないし、裏面打法の攻撃力も物足りない。

7月のアジアジュニアでは、木造と髙見が王楚欽にストレートで敗れている。王楚欽に2点取られることはある程度覚悟しなければならないが、薛飛と徐海東から何とか1点をもぎ取り、大応援団の声援をバックに中国にプレッシャーをかけたい。快勝を続ける中国だが、今大会は王座奪還に向け、相当なプレッシャーがあることも確かだ。

また、今大会の卓球台は「すべる」という選手の声が多く、女子団体準決勝では王曼昱のサービスが次々に台から出て、ドラゴマンにレシーブから打たれていた。中国選手はインパクトから第1バウンドまでの時間が短い、低くすべるようなサービスを使うので、サービスへの影響がより大きいのではないか。台から出るサービスを判断よく狙っていき、プレッシャーをかけていきたい。
  • 王楚欽のパワードライブのスピードは大会随一

  • 徐海東、裏面ドライブは威力より安定重視

  • 薛飛……お殿様顔ですね