速報・現地リポート

トップニュース速報・現地リポート

2017世界ジュニア選手権大会

5番ラストの最終ゲームまでもつれ込んだ、昨日の男子団体準決勝の日韓戦。一夜明けて田勢邦史監督が熱戦を振り返り、「準々決勝と準決勝は、選手たちがよく頑張ってくれたなというのが素直な感想です。要所、要所で取らなければいけないポイントを選手たちが取ってくれた」と語った。

「準々決勝のフランス戦に関しては、試合後に選手に伝えたのは、自信がなさそうな表情、「負けたらどうしよう」という雰囲気が感じられたので、もっと自信をもってやっていいということ。オーダーを決めるのは監督であるぼくなので、思い切ってやっていいと。また、試合の終盤で3点、4点とリードした時にプレーがセーフティ(安定重視)になる印象があった。まずチキータをして、確実にラリーに持ち込もうという感じがあった。国際大会では自分から仕掛けていって、自分から点を取りに行く姿勢を最後まで貫くことが大切。少しでも相手に余裕を与えると、すぐに逆転されてしまいますから。

フランス戦の後で、オーダーについては少し考えましたが、韓国も日本も3番は必勝だと分かっていた。フランスの3番と韓国の3番が、同じ左腕で似たようなタイプだったので、フランス戦3番で髙見は負けましたが、少し戦術面を含めて修正すれば、カバーできると感じた。オーダーを変えずに戦うと決めました。

韓国戦はトップ田中が、2ゲーム目を1−11で落とす中、最終ゲームまで持ち込む頑張りを見せてくれた。チームとしては良い流れを作ってくれた。安宰賢はチキータが少なくて、フォアでレシーブをして、チャンスボールはすかさずフォアハンドで狙う。そのフォアの体勢に入るのが非常に速いんです。少しでもつないだボールは一発で盛り返してくるので、それは日本選手も見習うべき部分でしょう。田中には、得意のバックで強打よりもピッチの早いボールを送れば、安宰賢が回り込んだとしても詰まる。チャンスボールが来ればそこを狙うという作戦でした。フォア前はストップしかないので、サービスもレシーブもフォア前が中心でした。

ラストでの田中の試合については、3ゲーム目の9−10でのエッジかサイドか微妙なポイントは、最終的には審判の判断だから気にするなと言った。でもあの一本だけじゃなかったですからね。国際大会でずっとベンチに入ってますけど、これだけツキのないベンチは初めてじゃないかと思いました。ポイントがほしいところで6本、7本くらいネットインやエッジがあった。しかもゲームカウント1−2の4ゲーム目、5−7から田中はフォア前を2本連続でネットミスした。

正直、もうやることがなくなった状態からの逆転でした。「勝ちに不思議の勝ちあり」という言葉がありますが、あれだけツキがない中で逆転できたのは、本当に不思議です。あれだけアンラッキーな場面が続いても、表情にも態度にも出さず、我慢した田中の人間性が最後に出たのかな。最後は神様が味方してくれたのかなと思います。田中はどんな状況でも、どんな相手でもガッツを出して最後まで諦めない。そういうプレーはもちろん団体戦にも向いているし、強くなる要素のひとつだと後ろで見ていて思います」(田勢監督)

……少々長くなってしまいましたが、内容が面白いのでドーンと掲載。決勝の中国戦については「恐らく今までどおりの3人(王楚欽・薛飛・徐海東)で来るでしょう。アジアジュニアで木造が薛飛に勝っているので、それを前半に当てるか、後半に当てるかですが、こちらも真っ向勝負のオーダーでいきたい。田中はこれまでひとりも中国選手と戦ったことがないというので、彼がどんな戦い方をするのかも楽しみですね」と田勢監督。これまで苦戦らしい苦戦のない中国男子にひと泡吹かせて、浮き足立たせることができれば、チャンスは大きく広がるだろう。