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2017世界ジュニア選手権大会

ペン初の世界ジュニア王者、薛飛が初優勝!

●男子シングルス決勝
薛飛(中国) 9、10、4、−9、8 モアガド(スウェーデン)

中国男子の最後の砦、15年大会2位の薛飛が快進撃を続けるモアガドを破り、初優勝!
ペンホルダーでは初の世界ジュニア王者の誕生、しかも4冠王!

準々決勝で徐海東、準決勝で牛冠凱を破って勝ち上がったモアガド。レシーブではチキータを一本も使わず、バックの押し込むようなフリックと小さく切れたストップ、ツッツキを駆使。サービスは薛飛のフォア前にガツンと切って出し、何度もサービスエースを奪った。

しかし、薛飛はモアガドのサービス・レシーブの特徴と、早いタイミングでのカウンターは予測済み。バックプッシュには手を焼きながらも、台から距離を取り、モアガドのカウンターを両ハンドで正確に返球。次第にミスが増えてきたモアガドは、いら立ちを隠せない。

薛飛がゲームカウント2−0の3ゲーム目、モアガドは完全に集中力が落ち、0−3とリードされたところでコーチがたまらずタイムアウト。貴重なタイムアウトを使ってしまい、このゲームも一方的な展開で落とす。

4ゲーム目は薛飛が中盤でリードしながら、モアガドにエッジが続いて1ゲームを返したが、反撃もここまで。準決勝でのプレーは「神の子」と言いたくなったモアガドだが、決勝でのプレーは15歳の少年に戻ってしまった。5ゲーム目、10−8で迎えた3回目のチャンピオンシップポイントを薛飛が決め、両手を上げて咆哮(ほうこう)。1ゲーム目のラブオールから、最後の1球まで声を出し、中国の7種目完全制覇を決めた。

決勝では台にラケットを放り出すなど、態度の悪さでイエローカードも貰ったモアガドだが、今大会での活躍はセンセーショナル。バックのプッシュはプラスチックボールに適した技術で、粘着性ラバーを使う中国選手には特に有効。フォアのレシーブドライブや回り込んでのカウンターの打球点は驚異的に早く、ショートスイングでもミートは相当強い。
危険な刃(やいば)と明晰な頭脳を備えたモアガド。今後の活躍が楽しみだ。
  • 薛飛、優勝を決めて高らかに吠えた

  • 中陣での正確な両ハンドでモアガドを制す

  • 鋭く切れていたモアガドのサービス

  • 中盤から意気消沈、準決勝までの自信満々なプレーは見せられず

  • 薛飛、ベンチの劉志軍監督とガッチリ握手