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平成29年度全日本選手権速報

 1月15日より、東京・東京体育館で全日本選手権(一般・ジュニアの部)がスタートする。昨年度大会は水谷隼(木下グループ)が史上最多の9度目の優勝、平野美宇(JOCエリートアカデミー/大原学園)が史上最年少優勝記録を更新と、球史に残る大会となった。
 今年も卓球王国ウェブでは特設ページを設けて試合速報から用具情報、出場選手のドラマまで、盛りだくさんの情報を現地より速報でお伝えしていく。開幕に先立ち、まずは男子シングルスの見どころを紹介して行こう。

 男子シングルスの優勝戦線を引っ張るのは、通算10度目の優勝を狙う水谷隼。昨年度大会まで、11年連続で決勝進出と全日本では圧倒的な安定感を見せている。今シーズンはITTFワールドツアー、ヨーロッパチャンピオンズリーグ、T2リーグと海外を転戦し、実戦の中でプレーを研ぎすませてきた。今大会の使用球である『ニッタク プラ3スタープレミアム』にやや苦手意識があるようだが、巧みな戦術転換と技術、何よりも「全日本での戦い方」を知り尽くしたこの男を、全日本の舞台で倒すのは容易ではない。

 その水谷を張本智和(JOCエリートアカデミー)、丹羽孝希(スヴェンソン)、松平健太(木下グループ)、上田仁(協和発酵キリン)らが追う。
 中でも注目は中学2年生の張本、この人だ。この1年は張本にとって飛躍の1年。初出場の世界選手権では男子シングルスで水谷を破り史上最年少でベスト8入り。さらにワールドツアー・チェコオープンではボル(ドイツ)を下し、史上最年少優勝。12月に行われた2018年の世界選手権代表選考会では、日本のトップ選手らをなぎ倒して優勝とその成長速度には驚かされるばかりだ。さらに完成度が高くなった両ハンドに加え、体もこの1年間で「シニア仕様」に進化。ガッチリとしてきた印象で、打ち合いでもシニア選手に負けないパワーが付きつつある。これまで男子シングルスでの最高成績は4回戦だが、昨年度の平野美宇の記録を更新する史上最年少優勝の可能性も十分にある。なお水谷との対戦となれば、その舞台は決勝。全日本で世界選手権の勝利の再現なるか?

 丹羽と松平は、ワールドツアーを中心に戦い、安定した成績を残してきた。1月発表の世界ランキングでは丹羽が6位、松平が10位で、日本男子では1、2位につけている。近年は全日本では上位にあと一歩届かずにいるが、充実の1年を経て優勝に挑む。順当に勝ち上がれば、水谷とは丹羽が決勝、松平は準決勝で対戦する。
 社会人3連覇を達成した上田も、この1年は目覚ましい活躍を見せている。昨年3月のジャパントップ12では水谷らを退けて優勝、ワールドツアーでも海外のトップランカーを次々に下した。日本リーグ所属選手の優勝となれば、平成17年度大会の吉田海偉(当時日産自動車)以来12年ぶりの優勝となる。

 昨年度大会で存在感を見せた吉田海偉(東京アート)や平野友樹(協和発酵キリン)、世界選手権代表選考会で活躍が光った大島祐哉(木下グループ)、吉田雅己(協和発酵キリン)、高木和卓(東京アート)、ドイツ・ブンデスリーガで好成績を残す森薗政崇(明治大)らも上位を狙う。インターハイ&全日本ジュニア王者の木造勇人(愛工大名電高)も力をつけており面白い存在だ。また、昨年度大会でスーパーシード下からファイナリストとなった吉村和弘(愛知工業大)のように、上位を引っ掻き回す選手が現れると、俄然大会は盛り上がりを見せる。

 今年も男子シングルスの優勝戦線の中心は水谷。その水谷への挑戦権をかけた戦いも白熱必至。白球にかける男たちの戦いから目が離せない。
  • 今年も戦いの中心は水谷。実績、実力、経験ともに抜きん出ている

  • 14歳の怪物・張本は伝説を残せるか?

  • 世界6位の丹羽は充実の1年を過ごした。2度目の戴冠を狙う

  • 松平はワールドツアーで好調をキープ