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平成29年度全日本選手権速報

混合ダブルス3回戦、世界チャンピオンの吉村/石川ペアからマッチポイントを奪い、「あと1点」まで追い詰めた渡井丈人士/河村茉依ペア。

最終ゲーム10−9の場面を振り返り、渡井は「相手は世界チャンピオンなので、今までどれだけ競った場面を経験しても、どの試合よりも勝ちたいという気持ちが出てしまった。平常心を保とうと思ったけど、力みが出てしまったかなと思います」とコメント。一方、河村は「正直、『いきたい、いける』という欲はめちゃくちゃ出ましたし、平常心を保とうと思ったけど、それで逆に良いボールを送りすぎたかもしれない。もっとじっくりと、泥臭いボールでも良かった」と振り返った。

「メディアも多かったので、どこまでできるかなと思っていたんですけど、2ゲームを先に取れたので、攻めの気持ちでやりたいと思っていた。ただ、相手のボールも伸びたり、曲がったり、なかなか完璧に打たせてもらえなかった。そういうところが厳しかった。でも悔しいです。このラウンドまでは来たいと思っていたし、気後れしたらもったいないと思っていた。最後はハッスルしたかったし、できたかなと思いますけど、最後はどうしても……若干気後れがありましたね」(河村)。

渡井は高校3年生、一方の河村は昨年11月で35歳。17歳の年の差ペアで、「もうお母さんの扱いなんですよ」と試合後の河村。「彼の爆発力に賭けていた部分もある。現代卓球というか、チキータもすごいし、サービスもすごいし、大きく動けるので本当に面白い。今後の成長が楽しみ」とエールを送った。一方の渡井も、「河村さんが時間を作ってくれたり、細かい技術やコースの選択が良いから、自分に良いボールが返ってくる。しっかり自分が引っ張っていけるよう、できることを思い切ってやりたいと思っていました」と語った。

一般女子シングルスで最年長の河村は、過去ベスト8に2年連続で入っている実力者。今後の去就については、まだ確定ではないが、全日本選手権は今大会が最後、3月の東京選手権で現役を引退する見込みだという。女子シングルスについては「一戦一戦これが最後かもしれないと思ってやっている。混合ダブルスですごく引き上げてもらったので、それをちゃんと活かして、恩返しするつもりで、いけるところまで強気でいきたいと思います」と抱負を語った。
  • あと1点が遠かった渡井/河村