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平成29年度全日本選手権速報

 男子シングルス1回戦、4年ぶり6回目の出場となった荒木基亮(ヨシダTTS)だが、ゲームオール9本で敗れ、目標としていた勝利はならなかった。

 弟の亮祐とともに、地元広島で国公立大や医師薬科のカリスマ的存在として活躍してきた荒木。バック粒高のカットマンだが、攻撃の割合が非常に高いオールラウンドスタイルだ。1回戦の相手、カットマンの廣田に対しては、自らはほとんどカットやツッツキをせず、バックで乗せるようなプッシュを中心に相手を崩し、パンチ力のあるフォア強打で決めるプレーを徹して2ゲーム先取。

 しかし廣田も次第に荒木のボールに慣れ、また必死の動きで強打を拾って3ゲーム目を奪うと、形勢逆転。最終ゲームも競ったが、「台のバウンドに最後まで合わなかった」という荒木にミスが出て、11-9の接戦で廣田に軍配が上がった。

 広島大医学部を卒業後、2年間の研修、そして2年間の精神科での臨床医を経て、大学院での研究職に就いて2年目となる。2016年11月に肩を手術、半年はラケットを握れなかったが、昨春から練習を再開した。「臨床医時代は人間相手なので、自分の都合で練習時間を作れなかったですが、今はネズミが相手なので、何とか練習できてます(笑)」という荒木。「今回は残念。もう1回くらい全日本に出場したいですね」。

 医学者として卓球にも打ち込む、異色の存在である荒木。また全日本の舞台で、異色のオールラウンドプレーを見せてほしい。


●男子シングルス1回戦
廣田匠悟(専修大) -5,-9,9,6,9 荒木基亮(ヨシダTTS)