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2018世界卓球ハルムスタッド大会速報

 これは緊急事態なのか、それとも日本の力が試されるときなのか。
 昨日、初戦のベルギー戦をストレート勝ちでクリアした日本男子。大会2日目の今日、午前10時にベラルーシと、夜の7時には前大会3位で、準決勝で日本と競り合ったイングランドと対戦する。

 昨日の試合後の会見では、「水谷はまだわからない。水谷が帰ってくるまでみんなで全勝を守ろうと選手には言いました」と倉嶋監督が言えば、丹羽は「水谷さんが戻ってくるまでチームの総合力で頑張りたい」とコメント。
 張本も「水谷さんというエースがいないのは寂しいけど、それでも勝てるチームだと思っています」と語った。

 その言葉の裏には、水谷はいつコートに戻ってくるかわからない、それまで堪え忍んで持ちこたえる、という思いが隠されている。一昨日の監督は「現地の練習で背中に張りを覚えた。日本での合宿では相当に練習をやっていたし、調子も良かった。その疲れもあったのでしょう。でも、大事(おおごと)ではない」と語っていた。
 それはマスコミを前にして、不安要素をことさら語ることをしなかっただけかもしれない。水谷は今晩のイングランド戦で復活するのか、それとも今日も休みを取り、明日、もしくは明後日あたりに照準を絞るのか。

 今日のイングランド戦が前半戦の大きなヤマになるかもしれない。相手チームのメンバーは、ピチフォード(世界65位)、ドリンコール(同52位)、ウォーカー(同96位)の3人。一見、世界ランキングは低いのだが、イングランドの選手は協会の予算が少なくツアーにはあまり参加できていない。彼らの実力はあなどれない。
 前回のクアラルンプール大会では、大島が起用され、ウォーカーに敗れ、水谷が2点取りした。また2月のワールドチームカップでは張本がピチフォードにストレートで敗れている。

 かつて水谷はリオ五輪後の自身のインタビューで「ぼくがいなかったら、日本は世界でもベスト8か16くらいの成績? それは事実でしょう。ぼくがいなかったらどうなるんだろうと思っても、ぼくはいるんですよ(笑)」と答えたことがある。 
 これは自分の強さを誇張して言ったわけじゃない。周りは日本男子チームの力を冷静に見ていない。簡単に銀メダルや銅メダルを取れるわけじゃないんだということを言いたかったのだろう。「ぼくはいるんですよ」と言っていた水谷が今日、いないかもしれない。

 現実的に、水谷というエースがいない中で、丹羽がどれだけ力を発揮できるのか、張本が全日本チャンピオンとしての強さを見せつけるのか、大島や松平がポイントゲッターとしての存在感を出せるのか。
 もし水谷欠場となった場合の今晩のイングランド戦が、日本男子の真価が問われる試合となるだろう。